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カブス・ブライアント、トレードの可能性浮上 成績の下降、年俸の引き上げネックに

2018/11/15

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 シカゴ・カブスのクリス・ブライアント内野にトレードの可能性が浮上した。今季はけがなどの影響で、出場機会が減少、シーズン途中には球団が提示した大型契約を拒否したとも報じられており、高額年棒が絡んだ問題に発展している。米メディア『ESPN』は11日(日本時間12日)に報じている。
 
 ブライアントは2015年にメジャーデビュー。ルーキーイヤーからレギュラーに定着すると、151試合に出場し、打率.275、26本塁打、99打点を記録し、ナショナル・リーグ新人王を獲得し、MVP投票でも11位にランクインした。甘いマスクも兼ね備え、一躍カブスの中心選手に登り詰めた。さらに翌年には打率.292、39本塁打、102打点を挙げてMVPに輝き、カブスのワールドシリーズ制覇の立役者となった。
 
 2017年にも29本塁打を放つなど強力カブス打線の中核を担ったスーパースターのブライアントだが、2018年は左肩の故障から2度の故障者リスト入りを経験し、出場が108試合にとどまった。打撃成績も前年から大きく落とし、打率.272、13本塁打、52打点とやや平凡な結果に終わった。
 
 『ESPN』によると、成績の下降のほか、球団が頭を悩ませるのが契約に関してだという。カブスは今季途中、総額約2億ドルの長期契約をオファーしたが、ブライアントはこれを拒否。FA取得となる2021年シーズンまでに長期契約を結んで年俸の高騰を抑えたいカブスに対し、ブライアントの代理人であるスコット・ボラス氏は、1年ごとに年俸調停に持ち込んで年俸を吊り上げる作戦をとっているのだ。
 
 カブスのセオ・エプスタインベースボール運営担当責任者は、トレードに出せない「聖域」を作る必要はないと発言。柔軟なチーム作りをしていく方針を打ち出している。2016年にはブライアントに加えアンソニー・リゾ、アディソン・ラッセル、ハビアー・バイエズ、カイル・シュワーバーらの内野陣、ウィルソン・コントレラス捕手を中心に世界一に輝いたカブスだが、その後2年間は期待された成果を収められていないというのが首脳陣や経営陣の本音のようだ。
 
 エプスタイン氏はボストン・レッドソックスのGM時代、スーパースターのノマ・ガルシアパーラ内野手やマニー・ラミレス外野手をトレードで放出するなど、大胆な編成方針で知られる。世界一奪還に燃えるカブスが大変革に踏み切るのは時間の問題かもしれない。