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カージナルス・名捕手モリーナがクレメンテ賞を獲得 ハリケーン被災地支援などに尽力

2018/10/26

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Getty Images



 MLBは24日(日本時間25日)、慈善活動に積極的な選手に贈られるロベルト・クレメンテ賞にセントルイス・カージナルスのヤディアー・モリーナ捕手が選出されたと発表した。
 
 同賞はプエルトリコ出身の殿堂入り打者で、1972年12月31日にニカラグア地震の被災者支援に向かう途中に事故死したロベルト・クレメンテ氏をたたえ1971年に創設された。
 
 モリーナはプエルトリコ出身の36歳。カージナルス一筋、メジャーで14年目を迎えたベテラン捕手だ。2004年のデビュー以来、世界一と称される強肩とパワフルな打撃を武器に活躍、7度の地区優勝、4度のリーグ優勝、2度の世界一を経験している。また、プエルトリコ代表として、これまで行われた4度のWBC全てに出場。レギュラーシーズンを優先して出場を見送るMLBの主力選手が多い中、献身的にチームを引っ張る姿勢は高く評価されている。
 
 名捕手として知られるモリーナは慈善活動に熱心なことで有名だ。プエルトリコは2010年、ハリケーンによる大きな被害を受けた。このハリケーン被害をきっかけに、モリーナは支援基金団体「ファウンデーション4」を設立。チャリティー活動を通して得た資金で、自然災害、貧困、いじめ、がん闘病などの問題解決を援助してきた。
 
 プエルトリコは昨年も巨大ハリケーンに襲われ、モリーナはすぐに母国に帰国して支援活動を開始。14日間にわたり、甚大な被害を受けた地域を歩いて回って食料を届けた。
 
 24日(同25日)のワールドシリーズ第2戦の試合前、モリーナの受賞セレモニーが行われた。公式サイト『MLB.com』によると、モリーナは「この賞のために慈善活動をしてきたわけではありませんが、受賞できたことで、活動してきたことを改めて誇りに思います」とコメントした。自身は23歳以下のプエルトリコ代表を率いて世界大会を戦っているため出席できなかったが、代わりに家族が出席した。
 
 長年の功績が評価され、名誉を手に入れたモリーナ。来季以降も真摯に野球に向き合い、弱者を助ける姿勢を見せてくれることだろう。