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大谷、「データ」で見る降板に至る経緯は? 3度の先頭出塁…ボール先行から2本の“痛打”

2018/06/07

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先頭打者の出塁は4イニング中3度

 ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手が6日(日本時間7日)、本拠地エンゼル・スタジアムで行われたカンザスシティ・ロイヤルズ戦に先発登板。5勝目を狙うマウンドだったが4回1失点。5回の投球前に右手中指にできたマメを理由に降板を余儀なくされた。
 
 今季10度目の登板となった大谷は、この日は再三ピンチを背負いながらの投球となった。初回に先頭打者のウィット・メリフィールド内野手に速球を弾き返され右前安打とされると、その後も四球を与えるなど1死一、二塁のピンチ。しかしここでサルバドール・ペレス捕手をスライダーで投ゴロ併殺に打ち取って何とか無失点で立ち上がった。
 
 2回も先頭のホルヘ・ソレーア外野手に速球を捉えられての二塁打を浴び、得点圏に走者を背負ったが、後続を投ゴロ、空振り三振、そして強烈なピッチャー返しを大谷自身が好捕し投ゴロに打ち取って切り抜けた。
 
 3回は9番から始まる攻撃を3者凡退に抑えたが、4回は先頭のマイク・ムスタカス内野手にまたしても安打を許して無死一塁。2死一塁から暴投で走者を二塁に進められた直後にアレックス・ゴードン外野手に93.9マイル(約151キロ)の速球を右前へのタイムリー安打とされて、とうとう先制を許してしまった。
 
 5回、マウンドに行くのが少し遅れた大谷は、右手中指を気にする素振りを見せ、それについてマイク・ソーシア監督らスタッフが話し合い、その結果ソーシア監督は大谷の降板を審判に告げた。球団は降板の理由を「右手中指のマメ」と発表。
 
 大谷はこの日4回63球(ストライク33球)を投げ被安打4、与四球3、奪三振4、失点1で防御率を3.10として悔しい降板を余儀なくされた。
 
 エンゼルスは、6回に逆転に成功し4-3で勝利。連勝を4伸ばした。大谷に勝ち負けは付いていない。

目立ったボール先行…先頭打者の二塁打と先制タイムリーに繋がる結果に

 大谷は、4月17日(同18日)のボストン・レッドソックス戦でも同箇所にマメを発症し2回3失点で降板している。その再発となり悔しい降板となったが、この日の投球内容も課題の残るものであった。
 
 粘りの投球で4回1失点に踏みとどまったが、4回のうち3回先頭打者を許し、ほとんど優位に試合を運べない展開。打たれた4本の安打全てが速球を捉えられたもので、いずれも真ん中、あるいは真ん中高めに甘く入ったものだった。
 
 また、ボール先行になるケースが多く、初球ストライクは対戦した18人中半分の9人にとどまった。初球でストライクを取っても、その後連続ボールでカウントを悪くしたケースも2度あり、そのうち1度は四球を与えている。
 
 そして、各打者3球を投げた時点でボール先行になったのは7度あり、それらは2安打(先頭打者の二塁打、先制タイムリー)、3四球、2三振という結果に繋がった。
 
 球種は、最速99.3マイル(約160キロ)を計測した速球が32球、スライダー20球、スプリット8球、カーブ3球。カーブは3球のうち2球を各打者の初球に放り、いずれもアウトに打ち取っている。
 
 スプリットは8球と少なかったが、そのうち5球をこの日の最終イニングとなった4回に集中させ、最後の打者の指名打者エイブラハム・アルモンテに対してはカウント0-1から3球連続で投げ込んで空振り三振に打ち取った。
 
 中指のマメという“アクシデント”で降板を余儀なくされた今回の登板。降板に至るまで、思うように制球ができなかったり、スプリットが少なかった理由が「指のコンディション」によるものなのか定かではないが、万全の状態に回復させて再びマウンドに戻って快投を見せてくれることを期待したい。