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大谷、データが示す課題と懸念。首を絞めた制球力、負傷を招く34.7%の”球種”

2018/04/25

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 ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手が24日(日本時間25日)、敵地ミニッツメイド・パークで行われたヒューストン・アストロズ戦に先発登板し、6回途中4失点を喫した。
 
 大谷に勝敗は付かなかったが、この試合は与四球5が表すように制球に苦しんだ印象だった。自己最多となる98球を放ったが、そのうちストライクは55球に留まり、ストライク率は56.1%。これは2勝目を挙げた8日(同9日)のオークランド・アスレチックス戦での64.8%に遠く及ばない。
 
 また、早い段階で2-0、2-1とボール先行にするケースも目立ち、フルカウントに及んだのは打者24人に対して6度あった。この6度のフルカウント後は、二塁打が1本に四球が3つ。四球に関して言えば、最終球が速球だったのが3度あり、勝負所でのコントロールミスが響いたといえる。5回に1点差に詰め寄られる2ラン本塁打を浴びたのも際どいコースに投げ込んだ速球をボールと判定され四球を与えた直後だった。さらに言えば、その本塁打を打たれた球種も96マイル(約154キロ)の速球。2回にマーウィン・ゴンザレス外野手に打たれたタイムリー安打も100マイル(約161キロ)速球である。
 
 この試合で放った37球の速球のうち43%にあたる16球がボール判定。この日は最速101マイル(約163キロ)もマークした速球だが、その精度を上げなければ好成績には繋がりにくいということが言えるだろう。
 
 球種でいうと、この日は98球のうち速球(フォーシーム)が37球、スプリットが34球、スライダーが23球、カーブが4球だった。スプリットが全体の34.7%を占め、これは8日のアスレチックス戦で91球中34球だった(37.4%)に迫る多さで、今後もこのような投球スタイルが続けば右肘への負担がさらに大きくなる懸念もある。無論、スプリットが現時点で大きな武器になっているのも事実である。
 
 スケジュールが順調に進めば、大谷の次回登板は、移動日を挟んで中7日となる5月2日(同3日)の本拠地エンゼル・スタジアムで行われるボルティモア・オリオールズ戦になる予定だ。17日(同18日)に発症したマメの影響はなさそうだが、次回こそは安定した投球でイニングを稼ぎ、勝ち星に結び付けたい。