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大谷、2勝目の要因は? 数字が示す圧巻の投球内容。試合を支配した初球

2018/04/09

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 ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平投手が8日(日本時間9日)、本拠地エンゼル・スタジアムで行われたオークランド・アスレチックス戦に先発登板し、7回12奪三振無失点の好投でメジャー2勝目を挙げた。
 
 初めて本拠地のマウンドに立った大谷は、初回の3者連続三振から始まり、7回1死まで1人の走者も許さない完璧な投球を見せた。5回にも4番~6番の主軸に対してこの日2度目となる3者連続三振を奪う力投に、地元アナハイムのファンを熱狂させたが、その好投ぶりを数字でも見てみたい。
 
 まずはストライク率。この日放った91球のうち、実に59球がストライクで、その割合は64.8%に及んだ。初登板となった同じくアスレチックス戦(現地1日)では92球のうち68.4%となる63球がストライクだったが、2試合続けての安定感は目を見張るものがある。また、イニング毎に追って見ていくと、1回15球(ストライク10球)、2回14球(同8球)、3回13球(同9球)、4回10球(同9球)、5回13球(同9球)、6回10球(同7球)、7回16球(同7球)となっている。また、対戦した23人の打者のうち初球ストライクで入ったのは15人で、ストライク先行で打ち取っていけたのも好投の一因だろう。
 
 アウトの内訳は、ゴロアウト4、フライアウト5、奪三振12で、これは前回登板で18個のアウトのうちゴロアウト6、フライアウト6、奪三振6だった内容と奪三振数以外はあまり変わらない。しかし、この日4つのゴロアウトのうち4番~6番から打ち取ったものは7回のクリス・デービス外野手の投ゴロのみで、その他は1番~3番から2つ、7番~9番から1つという内容だった。とはいえ、4番~6番から6つの三振を奪ったことは価値があった。
 
 球種の割合は、この日速球(フォーシーム、ツーシーム)が42球、スプリットが34球、スライダーが13球、カーブが2球。中でも、決め球がスプリットだったのは11回と目立った。それでも、後半になるにつれて速球で押すシーンも多く見られ、5回以降、四球以外10人の打者に対して決め球が速球だったのは5度あった。
 
 防御率27.00と苦戦したオープン戦はあくまでも調整だったと思わざるを得ない、開幕後の内容を伴った好投。投打でメジャーリーグの話題を集める大谷の活躍は、1球たりとも目が離せない。