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米国でトミー・ジョン氏の殿堂入りを改めて推奨 通算288勝・肘故障から復帰のパイオニア

2018/01/10

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 現在では肘の靭帯断裂に対する治療法として知られているトミー・ジョン手術。1974年にフランク・ジョーブ医師によって考案され、トミー・ジョン氏が世界で始めてこの手術を受けたことから「トミー・ジョン手術」と呼ばれるようになった。
 
 当時は肘の大怪我に対し効果的な治療法はなく、故障した段階で選手生命を絶たれるほどのものだったが、ジョーブ氏の考案した方法で多くの投手がそのキャリアをつなぎ止めることができている。日本では村田兆治やダルビッシュ有、米国ではスティーブン・ストラスバーグ、ジョン・スモルツなどが同治療法で故障から復活を果たした。
 
 米国のデータサイト「ファングラフス」では8日(日本時間9日)付で特集を掲載し、ジョンの功績を称え野球殿堂入りを改めて強く推奨した。
 
 ジョンは1961年にプロ入りし、63年にインディアンスでメジャーデビュー。長年先発投手として活躍を続けたが、ドジャース時代の74年に左肘の腱を断裂する大怪我を負い、選手生命の危機に陥ってしまう。
 
 しかし、当時ドジャースのチームドクターを務めていたジョーブ氏が損傷した靭帯を切除し、他の正常な腱の一部を移植するという手術を考案。その後、手術を受けたジョンは劇的な復活を果たし、1989年に引退するまでに288勝を積み上げ、4710回1/3を投げ切って防御率3.34という成績を残した。
 
 プレーだけでなく、選手生命を救う手術のパイオニアとなる大きな功績を残したジョンだが、ここまで野球殿堂入りとはなっていない。記事では、ジョンが288勝をマークしながらもタイトルの獲得などが少なかったことが殿堂入りとならない理由の1つであるとしている。
 
 一方、WAR(勝利貢献度)の観点から見ると、ジョンは歴代3位となる26年の間現役生活を続けたことで、ジョンの後に手術を受けた選手よりもWARが高くなっている。その他の成績も立派だが、やはりタイトルに恵まれなかったことで決め手を欠いてしまっているようだ。
 
 また、彼が治療を行ったことで確立した手術によって、以後多くの選手が出場を続けることができているという点も評価されるべきであるとされている。
 
 通算288勝という活躍だけでなく、現代野球を支えていると言っても過言ではない肘の治療法の第一人者となったジョン。今年の5月で75歳となるが、果たして野球殿堂入りを果たすことはできるだろうか。