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【MLB】世界一へ欠かせない8回・上原の存在。レッドソックス、懸案のブルペン陣改善で2013年の再現へ

今月5日に故障者リストから復帰した上原が快投を続けている。ブルペン陣に安定をもたらし、地区優勝は目の前だ。そして2013年の「奇跡の秋」の再現へ――レッドソックスのポストシーズンが始まる。

2016/09/25

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復帰後抜群の安定感でブルペンを支える

 今月快進撃を続け、アリーグ東地区優勝争いで一気に頭一つ抜け出したボストン・レッドソックス。その快進撃の原動力は間違いなく上原だ。

 今月5日に故障者リストから、ロースター入りすると、ここまで8試合に登板し、失点はなんと0。基本的には8回だが、時には9回を任され、抜群の安定感でレッドソックスの勝利に貢献している。16日~19日の本拠地フェンウェイパークにヤンキースを迎えた4連戦では2戦目と4戦目に登板し、共に無失点と完璧なリリーフ。チームとして26年ぶりとなる宿敵ヤンキースに対しての4連勝に貢献した。

『Bostonglobe.com』のニック・カファルド記者は「上原がレッドソックスのブルペン陣をさらに強固なものとした」と題し、次のように報じている。

When the 41-year-old reliever went down with a pectoral strain, the Red Sox bullpen became a landmine. There was chaos, relievers assuming roles they weren’t used to, and the pen became the weak spot of the team.
41歳のリリーバーが故障者リスト入りしてしまった時点で、レッドソックスのブルペンは、半壊状態となってしまっていた。ブルペンは混乱し、リリーバーたちは彼らが慣れていないポジションを任されることもしばしばあり、ブルペンがチームでの最大の弱点となってしまっていた。

 実際に上原が抜けた7月20日以降のレッドソックスのブルペン陣は、チームの最大の弱点となってしまっていた。上原より少し前に守護神キンブレルも離脱してしまい、上原離脱から8月終わりまでに喫した20敗のうち、半数の10試合で中継ぎに負けがつくという展開になっていた。

 特に8月は、先発陣がエースのプライスの復調を筆頭に安定して試合を作っており、またメジャーNo.1の強力打線を要するだけに、ブルペン陣の状態の悪さが不安要素となっていた。しかし上原の復帰以降、その不安は一掃された。

 その主な理由についてカファルド記者は次のように報じている。

There was some reason to believe Uehara would not recover in time to rejoin the team this season, but he did. And since Sept. 1, the Sox bullpen has been the best in baseball. Now there’s a flow, from closer Craig Kimbrel to Uehara in setup to Brad Ziegler as the swingman to Robbie Ross Jr. in high-leverage lefthanded situations. Newcomer Robby Scott has even proven to be a strong multi-inning reliever. And Joe Kelly can be used late in games when a strikeout is needed.
いくつかの理由から上原の今季中の復帰を信じない声はあったが、彼は無事復活した。そして9月のレッドソックスのブルペン陣の成績はメジャーでもトップクラスとなっている。今ではしっかりとした方程式が確立されているのが大きい。クローザーにはキンブレルが構え、8回のセットアッパーに上原、右打者へのワンポイントとしてジーグラーもいて、さらに左打者を得意とするロビー・ロスJrも備える。今月メジャーデビューしたばかりのロビー・スコットはイニング跨ぎもでき、三振が必要な場面ではジョー・ケリーを使える。

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