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【MLB】成功報酬型契約を結んだドジャース・前田健太に見える『自信』と『覚悟』

ドジャース・前田健太が誕生した。異例な契約内容に注目が集まるが、それは何を意味するのか。

2016/01/11

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異例な契約

 ついにドジャース・前田健太が誕生した。現地時間の7日、前田と8年契約を結んだことを球団側が発表。一連の報道によれば、年俸は8年総額2400万ドル(約28億3000万円)、1年の年俸に換算すると300万ドル(約3億5000万円)となっており、これに登板数などによる毎年最大1000万ドル(約11億8000万円)の出来高が付帯しているという。
 
 破格の出来高が加えられた契約内容を「成功報酬型」と評すれば確かに聞こえはいい。しかしながら日本のプロ野球界でもトップランクに入る投手の割には保障額となる基本給が低く抑えられた感はどうしても否めない。広島時代の2015年に自己最高となった年俸3億円(推定)と比較しても、わずか5000万円程度の微増だ。
 
 当時と現在のレートは異なるので円換算は割愛するが近年、海を渡った日本プロ野球界のエースクラス2人と前田の契約条件を比較しても待遇の差は歴然としている。レンジャーズのダルビッシュ有は2012年1月に6年総額5600万ドル、1年平均の年俸に換算すると約950万ドルの契約を球団側と結んだ。
 ヤンキースの田中将大が2014年1月に球団と締結した契約に至っては7年総額1億5500万ドルだ。1年平均の年俸にすると実に約2210万ドルも得られる超破格の契約内容はセンセーショナルな話題を巻き起こした。ここに挙げた両者の数字は出来高を除いた「最低保障額」。そう考えれば、前田の1年平均の最低保障額とされる年俸300万ドルが突出して低いことは一目瞭然だろう。
 
 しかも8年の契約途中に契約内容を変更して新たに結び直したり、あるいはFAにもなれたりする「オプトアウト」の権利が含まれていないと報じているメディアもある。これらの情報によって大半の有識者の間から「前田にとっては圧倒的に不利な契約内容ではないのか」との声が飛び交っているのは紛れもない事実だ。

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