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米子東を立て直した若き指揮官――低迷脱却のカギは、科学的見地に基づいた打撃強化術

「打撃指導」に定評のある名将が球児へ贈る、一気にバッティングを進化させるマル秘上達メソッドを収録した『高校野球界の監督がここまで明かす!打撃技術の極意』(大利実著、5/26発売)。今回は2019年春、部員18名(女子マネージャー2名含む)で23年ぶりにセンバツに出場を果たし「古豪復活」を印象付けた米子東・紙本庸由監督の章から一部抜粋して公開します!

2020/06/10

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紙本監督就任で低迷に終止符

 2008年から2013年まで、夏の大会で6年連続初戦敗退と低迷が続いた米子東。
 
 2013年の新チームから紙本監督にバトンが渡ると、2014年春夏秋ベスト4に食い込み、2017年夏は26年ぶりに決勝進出を果たし、甲子園にあと1勝と迫った。
 
 そして、2018年秋の鳥取大会準優勝で中国大会に出場すると、初戦から7対6(対開星)、8対6(対倉敷商)、6対5(対呉)と、ハイスコアの接戦をモノにして、センバツ出場を決定づけた。特徴的だったのが、バントが想定される場面でも、強打でチャンスを拡大していったことだ。敗れた決勝戦を含めて、中国大会4試合で犠打は4つ。「バントをしないわけではなく、打たせた方が得点率は上がるという確率の問題」という紙本監督のコメントもあり、バッティングに対する自信が伝わってきた。
 
 センバツが決まったあと、少人数&伝統校ということもあり、さまざまなメディアが米子東の快進撃を取り上げた。それを読めば読むほど、紙本監督の指導に興味が湧いてきた。
 
「公式戦でホームランを打ったときは、ホームランボールをお母さんにプレゼントしています。お母さんの手料理のおかげで、体が大きくなっている。ホームランを打てたのは、お母さんの力です」という言葉もあった。

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