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仙台育英・須江航監督のポリシー。勝因と敗因を論理的に振り返るために必要な年間計画表

「打撃指導」に定評のある名将が球児へ贈る、一気にバッティングを進化させるマル秘上達メソッドを収録した『高校野球界の監督がここまで明かす!打撃技術の極意』(大利実著、5/26発売)から2018年に仙台育英の監督に就いてから、昨夏の甲子園ベスト8、秋の東北大会優勝と実績を重ねている須江航監督の章から一部抜粋して公開です!

2020/05/26

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中学軟式野球日本一の実績 東北勢初の甲子園優勝へ

 春夏甲子園で3度の準優勝を誇る名門・仙台育英。1度目は竹田利秋監督(現・國学院大硬式野球部総監督)、2度目と3度目は佐々木順一朗監督(現・学法石川監督)が指揮を執り、東北勢初の頂点にあと一歩のところまで迫った。
 
 現在、チームを率いるのは仙台育英OBで、2001年春にセンバツ準優勝を経験している須江航監督だ。2018年1月1日に監督に就くと、2018年夏、2019年夏、2020年春と、3度甲子園に出場。名門の強さをしっかりと引き継いでいる。
 
 高校時代はグラウンドマネージャーとして、監督と選手の間に入る難しい役割を全うし、学した八戸大(現・八戸学院大)では学生コーチを務めた。卒業後、仙台育英秀光中等教育学校の野球部の監督に就任し、2010年から8年連続で全国大会出場、2014年夏の全国中学校軟式野球大会では悲願の日本一を成し遂げた。秀光中時代の教え子に、梅津晃大(中日)、佐藤世那(元オリックス/横浜球友クラブ)、西巻賢二(ロッテ)らがいる。

 軟式野球はボールの特性上、ロースコアの接戦が当たり前で、0対0でタイブレークに突入することも珍しくない。7イニング制のため、そもそもの攻撃機会も少ない。そんな中でも、須江監督時代の秀光中は打と走をからめた攻撃的な野球で、高い得点力を誇った。全中制覇を果たした2014年は、県大会から全中決勝まで12試合で51得点を記録した。
 
 高校野球になれば、ボールが変わり、イニング数が変わり、選手のレベルが変わり、スピードやパワーも変わる。須江監督は何を変えて、何を変えずに、チーム作りを進めているのか。センバツ大会前に監督室を訪ねると、机の上には2020年夏に向けての「年間計画表」が置かれていた。年間計画表でやるべきことを明確に計画を立てることで振り返りができる。

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