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川﨑宗則氏のプレースタイルは台湾野球に欠けているもの。地元ファン大歓迎、体調面は「沒問題」

元福岡ソフトバンクホークスの川﨑宗則氏が13日、台北市内でファンミーティングに参加。台湾プロ野球リーグ(CPBL)・味全ドラゴンズと3カ月の限定契約を結んだことを明かした。味全は、来季2軍の試合に参戦し、2021年から正式に1軍公式戦へ参加する予定となっている。

2019/07/17

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鄭仲嵐



川﨑氏が台湾の選手に伝えたいこと

 川﨑氏は、2018年3月に体調不良でソフトバンクを退団。いまの身体の状況については「体調は75%です。ただ一番いいプレーができるときは73%です。問題ありません」と冗談交じりに述べ、中国語でもう一度「沒問題(問題なし)」と言った。台湾へと環境を移すことで、川﨑氏の精神状態をリラックスさせる一助となるかもしれない。
 

 記者会見の後、川﨑氏は早速その夜台中へと移動し、中信ブラザース対ラミゴモンキーズの試合を観戦。早くも「視察状況」に入っている。また川﨑氏の台湾入りはネットでも話題となり、一時は「川﨑はプレミア12のため情報収集」との説も浮かんだ。それでも台湾のファンは川﨑氏を歓迎しており、「台湾野球を楽しんで! でもエラーと四球を見すぎて体によくないよ!」と川﨑氏のユーモアを交えて健康に気遣うコメントも見受けられた。
 

 記者会見の現場でも川﨑氏の魅力を大いに感じさせられた。120枚のファンミーティングチケットは僅か1分間で完売。台湾南部の高雄からはるばる朝6時の新幹線に乗ってきたファンもいた。それは今の台湾プロ野球でもなかなか見られない光景。2013年に元メジャーリーガーのマニー・ラミレス氏(レッドソックスほか)が3カ月間プレーした時、マニーは当時の台湾のファンを熱狂させたが、そこに通ずるものがあった。
 

 川﨑氏は、「(野球は)残酷です。それはもう十分わかっているから、その残酷の上で、どれだけ自分たちが楽しいプレーをして、みなさんを元気づけられるか。でも一番は楽しむことをやっていきたい」と力強く語った。3カ月という短い期間ではあるが、内野手の土台をもう一度台湾野球選手に伝えることができれば、たとえ日本に帰っても、川﨑式の野球は、永遠の手本となるはずだ。
 
 
鄭仲嵐

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