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高校野球以前から肘の痛み? 少年野球アンケートから見えた課題

先日、興味深い調査結果が明らかになった。全日本野球協会や日本整形外科学会などが共同で少年野球に関するアンケートを行い、練習量や怪我についての現状が報告されたのだ。全国規模での実施は初めてだという少年野球の実態調査から見えてきたこととは?

2015/03/11

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クーリングダウンは行われているが……

 整形外科専門医が参画し、スポーツ医学の見地から障害予防対策を目的として行われたこのアンケートは、全日本野球協会傘下の全国の小学生チームが対象で、回答を得たのは軟式・硬式合わせて539チーム、選手1万228人。
 そのうち、何らかの痛みを経験したことがあると回答した選手は全体の57.5%にあたる5,880人に上り、さらに肩・肘の痛みについては、ポジション別で投手の49.3%が経験あり、と回答している。
 
図8
 
 チームの指導者のアンケートを見てみると、ウォーミングアップとクーリングダウンはしっかり行われており、練習後のクーリングダウンは全体の8割以上となる450チームが実施。全日本野球協会によれば、「クーリングダウンを実際に指導しているのは近年の関心の高まり」だという。
 その一方で、投手の1日の投球数に基準を設けていると回答したチームは全体の6割程度だった。そのうち、投球制限の基準を50~100球未満とするのは299チーム(56.7%)、50球未満が97チーム(18.4%)であり、「小学生は1日50球以内が理想」とされる中、範囲内に抑えているチームは2割にも満たない。実際どのぐらい投げているかというと、50~100球投げている投手が578人(27.7%)、100球以上投げている投手が146人(7.0%)もいた。 
 
図16
 
表1

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