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【2016年ドラフト大学生編】田中、佐々木、柳「大学BIG3」以外にも本格派投手が揃う大豊作。野手は吉川、京田か

プロ野球の新人選択会議(ドラフト)が20日に迫っている。果たして、今年はどんな選手たちが指名されるのだろうか。2016年のドラフト候補たちを、高校・大学・社会人と3回に分けてお送りする。今回は大学生編。

2016/10/19

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高木遊



田中と佐々木は競合必至、完成度は柳が一番

 まず1位指名が確実なのは、田中正義(創価大)、佐々木千隼(桜美林大)、柳裕也(明治大)の即戦力右腕3人だ。一部メディアでは、「高校BIG4」(藤平尚真、寺島成輝、高橋昂也、今井達也)に対抗し、「大学BIG3」とも呼ばれている。

 今回のドラフトで目玉となるのが最速156km/h右腕の田中だ。昨年はユニバーシアード壮行試合で岡本和真(巨人)らNPBの若手有望株を相手に、4回8奪三振(7者連続三振含む)で走者を1人も出さない完璧な投球を見せるなど、その分かっていても打てないキレと制球力に優れたストレートは、逸材というほかない。

 ただ今季は右肩の関節が緩み戦線離脱。幸い重症にはいたらなかったが、創価高時代には右肩の関節唇を痛めて外野手に転向していた過去もある。そうしたリスクがあるため、年始に報じられた「12球団競合か」「8球団競合の野茂超えか」と言われたドラフト1位指名は、そこまでの数にはならないのではないか。

 今年やや評価を落とした田中に対し、今年最も評価を上げたと言えるのが、佐々木だ。
 今春の首都大学リーグで日体大や東海大といった強豪校を相手に防御率0.27、4勝4完封3敗(敗戦はすべて0-1)という驚異の成績を残した。また7月の日米大学野球ではMLB予備軍の大学米国代表と対戦。開幕投手に抜擢され、7回3安打1失点12奪三振と好投するなど2試合に登板し優勝に大きく貢献した。サイドハンドに近いスリークォーターハンドから最速153km/hのストレートを投じ、同じ腕の振りから繰り出す変化球もスライダー、フォーク、シンカー、ツーシームと多彩。大きな故障も4年間なく、確実な即戦力が欲しい球団は佐々木を指名することになりそうだ。

 明治大のエースを務める柳は、完成度と安定感は前述の2人の上を行く。140km/h台前半でも空振りを奪えるストレート(最速150km/h)に、大きく縦に割れるカーブやカットボール、チェンジアップなど、どの球種でもしっかりとストライクが取れる。また、横浜高仕込みのフィールディングやけん制球の上手さ、投手としては異例となる主将を明治大と侍ジャパン大学代表双方で務めた人望など「投球以外」の部分でも光るものが多い選手だ。

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