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生き残りをかけ、考えに考え抜いて打ち出された「海外戦略」四国アイランドリーグPlus

10周年を迎えた四国アイランドリーグPlusの来季改革について、記念式典後、鍵山誠CEOが記者団の囲み取材を受けた。それをもとに、現時点での具体的な内容を紹介する。

2014/12/15

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Koh Hiroo



従来の努力を続けるだけでは、展望は開けない

3.海外遠征中に、残ったチーム、選手は何をするのか?

 選抜チームが北米を転戦している2カ月間、四国の4球団には「収益化へ向けて地域密着の活動をいかに展開できるか」が問われている。

 試合がない分、イベント、プロモーションなど地域に密着した活動ができる。この時期に各球団の経営手腕が、問われている。
 また残った選手は、当然、練習に励むことになるが、この時期に実力を蓄え、首脳陣にアピールすることが求められる。またこれまで以上に地域貢献活動も行わなければならない。

4.この大胆な改革の背景に何があるか?

 鍵山誠CEOは、減少しつつあるとはいえ、各球団が赤字を出し続けていることについて「(実力が向上している)選手に比べて、経営努力が足りなかった」と自省している。

 しかしながら、全国よりも早いペースで少子高齢化が進む四国を基盤にして従来の努力を続けるだけでは、展望は開けない。観客動員は減少傾向にある。
 そういう経営的な危機感から、この大胆な戦略を案を編み出した。

「リスクはある。当然、批判もある。しかし、リスクをとってでも四国以外での可能性を求めたい。この戦略は考えに考え抜いて作ったものだ」と語った。
 筆者は今年春にも鍵山CEOや、関係者に話を伺う機会があったが、すでにそのときには今回の戦略の原型が出来上がっていた。

 議論を重ねた上での決断だったことは間違いがない。
 この間、四国アイランドリーグPlusは、JABA(日本野球連盟)やNPBとの関係も強化させている。
 できることはすべて行い、生き残りとさらなる発展を期して、大きな一歩を踏み出そうとしているのだ。

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