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東南アジアと連携を深める四国アイランドリーグplus~インドネシアのベースボール・ドリーム~

野球は現在、東南アジアの富裕層の間で普及しつつある。実情はどのようなものなのか。

2016/01/06

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阿佐智

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インドネシアを本部とした野球アカデミーが誕生

 インドネシア。世界最大のイスラム人口を抱えるこの国の首都ジャカルタ郊外の下町にある人工芝のダイヤモンド。「ザ・ヒット・ファクトリー」と名付けられたこの野球アカデミーでは、現在30人弱の会員がアメリカ人、日本人のコーチングのもと、野球の手ほどきを受けている。

 アカデミーの本部はシンガポールにある。
 野球は現在「アメリカ生まれクールなスポーツ」として、近年急速に経済成長を遂げてつつある東南アジアの富裕層の間で普及しつつある。このアカデミーも、もともとはアメリカ人がオーナーを務める2つのチームが母体となり、2012年に8歳から高校生までを対象として立ち上がったものである。昨年には年齢別に分けられた4チームが日本に遠征している。

 ジャカルタのアカデミーは昨年の夏、シンガポールアカデミーの分校として立ち上がった。

 日本にとって長年最大の開発援助相手国であるこの国には2万人の日本人コミュニティが存在し、在留邦人の子弟が通う日本人学校には約1000人の生徒が通っているといわれている。インドネシアの野球人口の約半数は、日本人に、おそらくはその数をしのぐであろうアメリカ人を加えた外国人であり、これにアメリカ文化にあこがれをもつ現地人富裕層が加わるという構図である。実際、アカデミーの生徒も、その半分ほどはアメリカ、日本からの駐在員の子弟である。それでも、首都ジャカルタにはクラブチームがいくつかあり、そのうち最大の「ガルーダ」は、300人超メンバーを抱えている。週末にもなれば、市の南郊にある国立競技場に隣接した野球専用フィードでは一日中試合が組まれる。この国での野球熱は高まってきているといっていいだろう。このような中、急速に拡大しつつある富裕層相手のビジネスツールとして、野球はこの地域に普及しつつある。

 一方、この流れとは逆の途上国への援助ツールとしても野球はインドネシアに入ってきている。

 実は、この国のナショナルチーム監督は日本人である。
 バリ島で仕事を請け負っていた関東の建設会社の後押しにより、現地在住の日本人によって立ちあげられたチームが、首都のあるジャワ島で行われた大会で好成績をあげたことがきっかけとなり、このチームを率いていた日本人が代表監督に就任しているのだ。「子どもに夢を与えたい」という理念から行われているバリ島での普及活動は現在も続いており、今後は好選手を日本の実業団チームや独立リーグに送りこむことで、観光と農業以外に就業の手段がほとんどないこの島の若者に、スポーツによって身を立てるという「ジャパニーズ・ドリーム」の道筋を作ることを模索している。

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