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中継ぎながらすでに5勝 ホークス二保旭が持つ、勝利を手繰り寄せる力

7月5日には今シーズン最多の貯金20を作ったソフトバンク。チーム好調の要因に強力打線がクローズアップされることが多いが、先発・中継ぎ・抑えもリーグトップクラスの成績を残している。中でも、育成出身で今シーズン自身初の開幕1軍をつかんだ二保旭が中継ぎですでに5勝をマーク。堂々の活躍を続けている。

2015/07/09

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1999年の日本一に貢献した先輩越えを期待

 初勝利を挙げた5月3日オリックス戦では、2点ビハインドの8回に3番手として登板し、きっちりと打者3人で終えた。その後、チームは逆転に成功し勝利投手となった。2勝目を挙げたのはその2日後。延長11回のマウンドに上がり無失点に抑えると、その裏に見事サヨナラ勝ち。ロングリリーフも可能で、攻撃へのいいリズムを作りチームの勝利へと貢献している。

 ソフトバンクの強さはどこからでも得点できる強力打線と層の厚い先発陣に加え、安定した『勝利の方程式』にある。今季のリリーフ陣も十分に心強いものだが、印象深いのが初優勝した1999年。ダイエー時代、当時2年目ながら日本一におおいに貢献した篠原貴行(現横浜DeNA投手コーチ)は、なんと中継ぎながら開幕14連勝を記録し「不敗神話」を作った左腕。最終的には60試合に登板し14勝1敗、勝率.933で最高勝率のタイトルを獲得した。

 左右の違いや起用法の違いもあり、同じように期待してしまうのは少し違和感があるかもしれない。それでも二保には先輩を越えるような活躍をしてほしいものだ。後半戦、さらに厳しい場面でのマウンドが待っているだろうが、二保には勝利を引き寄せる力がある。若さと勢いに加え、工藤監督が認めるマウンド度胸で夏場を乗り越え、秋には歓喜の輪の中に二保がいることを願っている。

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