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獅子の3番・浅村栄斗、進化する打撃技術―「無心のフルスイング」から、思考の一打へ【中島大輔 One~この1打席をクローズアップ】

ライオンズの3番を任される浅村栄斗。7年目を迎え、その打撃技術は大きく進化している。今回は4月15日対東北楽天戦、3回裏1死満塁の場面だ。この打席、浅村は何を考えていたのか。本人の言葉とともにひも解いてみる。

2015/04/21

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ベースボールチャンネル編集部

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浅村(ロゴ入り)

7年目、磨きがかかる打撃技術

 無心のフルスイングが代名詞だった男は、プロ入り7年目を迎える今季、頭角を現した頃のイメージをすっかり変えつつある。かつては自身の打撃について、「来た球を思い切り振るだけ」と語っていたが、いまや相手の思考を読み切り、卓越した技術で一気に息の根を止めているのだ。

 4月15日、楽天戦で浅村栄斗が放った同点タイムリー2塁打は、技術、読み、状況判断力が結集された一打だった。

「ここまで総得点が低いからね。最近は2点とれるか、とれないか。変えていかないと……。これ以上、ピッチャーに負担をかけられないからね」
 前日、楽天投手陣から1点しかとれずに敗れた後、田邊徳雄監督はそうこぼした。翌日の試合では2回に2点をリードされ、嫌なムードが立ち込める。
 そんな状況で迎えた3回裏、西武にチャンスが巡ってきた。相手エラーと秋山翔吾の2塁打などで1死満塁のチャンスをつくると、打席に浅村が向かった。

 楽天の先発・美馬学が初球、嶋基宏が内角低めに構えたミットをめがけてシュートを投げ込んだ。そのボールがやや真ん中寄りに入ると、浅村はグッと引きつけ、バットを強く振り抜く。打球は右中間を破り、二者が還って同点に追いついた。
 この一打には、浅村の思考力が凝縮されていた。まず、ファーストストライクから打ちにいったことだ。それを「積極性」のひと言で片付けるのは、あまりにももったいない。

 かつて浅村は、こんな話をしていたことがある。

「初球は狙い目だと思います。バッターからすれば、2ストライクに追い込まれると余裕もないですし、ファウルにしないといけないボールもある。めちゃくちゃ大きなスイングはできなくなりますしね。ピッチャーは追い込むまで必死に抑えにくるので、逆にボールが甘く来る場合もある。ましてや初球はどのピッチャーもストライクが欲しいと思うので、甘めに来たりします」

 その言葉通り、美馬の初球はやや甘く入ってきた。気になったのは、ボールが内よりに来たから右方向に打ったのか、ということだ。試合後、直接聞いてみた。

「いや、犠牲フライでも1点ということは頭に入れて、打席に入ったので。その意識があったから、あの打球になったんかな、と」

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