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オリックス宮内オーナー「糸井はベストな形で残っていただきたい。選手は野球に対する賢さを」【福良監督オーナー報告会見全文】

オリックスの福良淳一監督は13日、東京都内のオリックス本社を訪ね、宮内義彦オーナーに今シーズンの報告を行った。

2016/10/14

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宮内オーナー「落ちるところまで落ちた今シーズン」

「野球に対してもっと賢くなってほしい」

 

 役員応接室に現れた宮内オーナーと福良監督は、記念撮影中に報道陣から談笑を求められ、宮内オーナーが「ドラフトの抽選は誰が引くの?」と尋ねると、福良監督が「たぶん私だと思います」と答えた。

 

 すると宮内オーナーは「そろそろ当たるかな」と抽選に泣かされ続けてきた歴史を自虐的に話し、場を和ませた。その後、応接室では二人だけとなり、約40分に渡り今シーズンを振り返った。会談を終えたオーナーと監督は、別階の会議室に場所を移し、記者会見に臨んだ。

 

【代表質問】
――報告の冒頭に私たち報道陣も覗かせていただいたんですが、随分と宮内オーナーが和やかだったんですけど、報告と会談もそのような形で進まれたのでしょうか?

 

宮内オーナー「極めて和やかに。済んだことは仕方がない」

 

――福良監督からは2016年を振り返って、どのような報告があったのでしょうか?

 

宮内オーナー「報告といってもね、毎日試合結果を見ているわけですが、まあ……一番ビリで、これ以上、下はないんだからね。落ちるところまで落ちたなと、こういう感想ですね」

 

――オーナーからは監督にどんな要望を出されたのですか?

 

宮内オーナー「終わったことはこれで……。これから春までに、来シーズンまでに鍛えに鍛えてください。今の現有勢力の力を上げるというのをベースに、ぜひ実行してほしい。お願いします」

 

――オーナーは今シーズンをどのように総括されますか?

 

宮内オーナー「いつも思うんですけどね。2勝3敗ならビリなんです。3勝2敗なら優勝というのが、プロ野球の世界なんですよ。我々は2勝3敗だったと。ひとつの差のゲームの内容を見ますと、2勝2敗まで行って、最後の5試合目の内容が、本当に惜しい負け方というのがかなり多いんですよね。そういう意味ではパリーグというのは、かなり力が伯仲していると。そのなかで我々はもう一歩足りないものが……いろんな意味でもう一歩というものがあったんじゃないかと。そこを何とかすると。それがシーズンオフの課題だと思います。どうにもならんチームだったなという感想を私は持ってないんでね。もう一歩、もうちょっとだと」

 

――オーナーが仰ったもう一歩という中でも、オーナーが評価する試合であったり、個々で評価すべき選手も出てきたと思うのですが?

 

宮内オーナー「まあ、評価すると、最後結局ビリですからね。評価はしない。今シーズンは特に評価しない。チーム全体をね。評価させてもらえるように、チームを変えてもらう。そういうことです」

 

――福良監督はある時期から、非常に若い選手であるとか、チームの活性化や底上げも含めて、やりくりをされていたように見えたのですが、そういう選手が出てきたなという実感も少しあるんですが?

 

宮内オーナー「出てきたな……というか、出てくるかもしれないなという程度のところで終わったんじゃないですかね。完全にレギュラーを取ったとかね、エースが取って代わったというようなことはなかったわけですからね。そこですよ。そういうことが起これば。中心バッターが、突如として凄いのが出るとかね。思いも描けないエースが出るようなことがあれば、ウチのチームは強かった。だからそのカギが見えた程度だったと思います。そういう状態だから、これから春までにぜひ頑張ってもらいたい。そう思います」

 

――オーナーから誰か選手の名前が出ると思って伺ったのですが……。

 

宮内オーナー「(笑顔で)実は一人ひとりの選手を、監督と評価し合ったんですけど、ここで名前を挙げるには至りません。ね?」

福良監督「はい」

 

――来年のオーナー報告の場で、オーナーから名前がどんどん出てくれば……。

 

宮内オーナー「3、4人出てくれば優勝ですな。ピッチャー2人、打者2人。(笑顔で)意外な人がですよ」

 

――オーナーご自身が福良監督をバックアップしていきたいのは、どの部分でしょうか?

 

宮内オーナー「それは全てなんですよね。全てなんですが、例えば外国人だとか、あるいはトレードとかフリーエージェント(FA)とかいろんなことからの補強方法は、球団がベストを尽くしていると。それを前提としまして。やはりそれ以外の現有を、我がチームの人が力を落とすのではなく、一段上げてもらうということが、一番大きいと思いますね。やっぱり技術的なもの、精神的なもの、それからもうひとつは、野球頭ですよね。野球に対してもっと賢くなってもらわなきゃ困る。この3つが一緒にならないといけないんじゃないですかね」

 

――現有勢力のアップというお話がありましたが、ドラフトまであと1週間になりました。それからFAも賑わせている部分があるんですが、その辺りはどうお考えでしょうか?

 

宮内オーナー「(笑顔で)これはわからないですね。もちろん当チームから、出て行っても構わないという選手はいませんからね。残留してもらわなきゃ困るし、他所でFAした選手は何ならみんな来ていただいてもいいですし(笑)という思いではいますがね。それは実際相手があることですから。ドラフトについてもいろんな名前が出ているようですけど、日本のドラフト制度はくじ引きという制度がありますからね。なかなか今の段階になってドラフトで補強しますって言ったら笑われるわけで、これも何とも言えない。まあベストを尽くすと。くじ引きにベストを尽くすのはどうしたらいいのかわからないですけど(笑)」

 

――昨日から秋季練習も始まりましたが、来シーズンに向けての期待を改めて教えてください。

 

宮内オーナー「差は大きくないと思ってます。だからこの差を6位以上にもっていくということは、十分にできると。それをどれだけ埋めきれるのかというのが、来シーズンの課題ですね。私は相当、上がる余地はあると思ってます」

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