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長野久義、原監督の期待に応えられず。新監督の下、屈辱の2015年からの再起なるか

CSファイナルステージでも巨人の打線に火はつかなかった。阿部が獅子奮迅の活躍を見せたが、その後ろの5番・長野が大ブレーキ。プロ生活で最低の数字に終わった長野も12月で31歳。新監督の下、来季は勝負の1年になる。

2015/10/20

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新監督の下、長野の復活はあるか

長野は1年目に新人王、2年目に首位打者、3年目に最多安打のタイトルを獲得。
11年から13年までベストナインとGグラブ賞を3年連続受賞。
入団から5年間の通算安打数は767安打。
これは長嶋茂雄(元巨人)763安打、青木宣親(元ヤクルト)744安打を抑え、日本人選手としては歴代最多安打となる。
誰もが次代の巨人軍を背負う選手と期待したが、今季はプロ入り以来最低の打率.251。
12年には20盗塁の自慢の脚力も、わずか3盗塁へと激減。
そしてチームトップタイの12併殺打を記録した。
昨オフに右肘と右膝の手術をして満身創痍の状態で迎えた6年目のシーズンの挫折。
これまで順風満帆のプロ生活を送っていた男が、初めて大きな壁にぶつかっている。

12月には早いもので31歳だ。
もう若手選手ではない。
ここ数年、原監督は阿部のチームから坂本と長野の時代へと継承しようとした。
だが、彼らがその期待に応えたとは言いがたい。
新監督が来れば、またイチからのチーム作りになるだろう。
果たして、その中心に背番号7の姿はあるのだろうか?

CS最終戦を神宮球場で観戦した帰り道、「今頃いったい長野はどんな気分でいるのだろうな」と思った。
プロ入り以来ずっと使ってもらった原監督最後の試合で何もできなかった自分。
長野はこの屈辱と悔しさを抱いたまま、長いオフを過ごすことになるはずだ。
松本大洋の名作漫画『青い春』の中でこんな有名な台詞がある。
「もし取り返しのつかない一球があるとして、それを取り返すことが…できるかな」と。

このまま静かに終わっていくのか?
それとも失ったものを取り返し、復活を遂げるのか?

2016年は、長野久義の野球人生を、そして巨人軍の未来を左右する1年になるだろう。

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