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巨人・原監督が辞意表明――指揮官の”劇薬”に込められたメッセージ

17日、巨人はクライマックスシリーズ(以下CS)ファイナルステージ敗退が決まったことを受けて、原辰徳監督が辞意を表明した。

2015/10/18

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ジャイアンツが変わるために

 だが、そんな名将にも苦悩があった。長期政権による〝歪(ひずみ)〟と〝マンネリズム〟だ。

 徐々に主力たちの高齢化が進むなどして過渡期が訪れたチームには近年、変化も求められている。それなりに結果は出せていても、なかなか内容が伴わなかったのも事実だ。

 取り分けて今年はレギュラーシーズンで打線がリーグ最低となるチーム打率(.243)に沈んだことについて原監督は深く気にかけていた。「いくら投手が頑張っても、打線が打てなければ試合に勝つことはできない」という指揮官の嘆き節は今季中、何度もメディアで見聞きしたはずである。

 笛吹けど踊らず……。それならば自らが身を引くことで、この長きにわたって続いていた体制にこれ以上ない大きな変化を与えてやろう。そして選手たちにさらなる危機感を芽生えさせれば、必ずやチームは再生の時を迎えるに違いない――。

 原監督が今回辞意を表明したのは、そういう〝劇薬〟とも言うべきシナリオを自身が胸の内で描いた末での判断だったような気がする。

 ジャイアンツを誰よりも愛するが故の決断。
 指揮官の体を張った「メッセージ」を無駄にしてはいけない。今年のチームスローガンだった「新成」を来季こそ成し得るためにも、Gナインは新監督のもとで猛奮起しなければならないだろう。

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