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【MLB】FA岩隈の引き留めは最優先も、米メディア「QOを出す判断は必ずしも正解とは限らず」

岩隈久志がマリナーズと再契約する可能性は十分ある。しかし、その場合も決着はクオリファイング・オファー締め切り後になりそうだ。

2015/11/05

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マリナーズにとって岩隈の引き留めは最優先事項

 ロイヤルズが世界一を決めた翌日の11月2日は、ストーブリーグの開幕日でもあった。今季いっぱいでマリナーズとの契約が満了した岩隈久志の動向も、その中での注目点のひとつだ。

 地元紙『ニューズ・トリビューン』のボブ・ダットン氏は、11月2日付けの記事で「球団は今週末に規定のクオリファイング・オファー(以下QO)を岩隈に提示するはず」と報じている。

 10月初旬に就任したばかりのジェリー・ディポートGMは、岩隈の引き留めはオフの最重要課題のひとつとしている。

 確かに岩隈が離脱すると、その穴を埋めることができる実力派の獲得には、それなりの予算を要するだろう。
 したがって、マリナーズが岩隈にクオリファイングオファー(以下QO)を提示する可能性は高いと同紙は予測している。

 MLBではワールドシリーズが終了すると、所属球団はFAとなる選手との5日間の独占交渉期間が与えられる。その期間が終了すると球団はQOを出すか否かの意思表示をしなければならない。

 QOの条件は労使協定で決まっており、期間は1年で金額はその年の年俸上位125選手の平均額となる(このオフの場合は1580万ドル)。
 QOを提示しておけば、所属球団はその選手が仮に他球団と契約しても翌年6月のドラフトで補完指名権を譲り受けることになる。
 逆に言えばQOを出さなかった場合は、その選手が流出しても何も得られない。
 提示を受けた選手は、それを受けるか否か、一定期間内に返答しなければならない。

 これまでQOを受け入れた例はなく、みなFA市場で自らの市場価値を確かめるほうを選ぶ。岩隈も同様の形になるだろうと、ダットン氏は見ている。
 そもそも1年1580ドル以上の条件をFA市場で有すると考えられる選手はこれを受けるはずはなく、それ未満の選手にはそもそも球団はQOそのものを提示しない。

 QOを却下すると全球団との交渉が可能になるが、その中には旧所属球団も含まれる。実際、黒田博樹は2年連続で、いったんはQOを却下したヤンキースと再契約している。

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