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「ブラジル人の誇りを持って」――フェルナンドの目指すジャパニーズ・ドリーム

全国的には無名ながら、屈強な体と日本人にはない強いメンタリティでドラフト指名を待つ、ルシアノ・フェルナンド外野手(白鴎大)。関甲新学生リーグ歴代2位となる通算17本塁打を放った長距離砲のプロ入りに懸ける想いとは。

2014/10/23

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Yu Takagi

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日本人には負けたくない

 昨年の楽天日本一に大きく貢献した岡島豪郎(楽天)や、来季でプロ10年目を迎える飯原誉士(ヤクルト)らを輩出している関甲新学生リーグに所属する白鴎大。

 これまでにも、同大はブラジルからも積極的に選手を獲得しており、昨年行われたWBCブラジル代表には、選手・コーチとして5名の白鴎大野球部出身者が名を連ねた。

 だが、今回紹介するフェルナンドは日本育ち。日本人の祖母を持つブラジル生まれの日系ブラジル人だが、5歳から父親の仕事で群馬県太田市に来て以降、日本で暮らしている。
 そのため日本語は、流暢という表現を使うことさえためらわれるほど、日本人とほぼ変わりはない。

 そんなフェルナンドも「中身は完全にブラジル人。当然、次のWBCではブラジル代表に選ばれたいし、異国の地で日本人には負けたくないという気持ちは強い」と話す。

野球をやることで僕は尊敬を得られる

「偏見や差別はある。特に小さい頃はいろいろ……。でも僕は野球をやることで、周囲の評価や尊敬を得ることができた」とある時、話してくれた。

 小学校時代に、好きだったサッカーを辞めてしまい、それから数週間は校庭の朝礼台から少年野球チームの練習をただ眺めていた。すると、チームのコーチに声をかけられ、遊び半分で練習に参加してみた。

 野球は初めてだったが、誰よりも上手く、そしてボールを遠くに飛ばせたという。こうして彼の野球人生は始まり、高校は憧れだったという県内の名門・桐生第一へ。甲子園出場はならなかったものの、尊敬すべき同郷の選手を多く輩出した白鴎大に進学する。今春のリーグ戦では主将も務めた。

 日本独特の上下関係には、特に高校時代「なんで1年早く生まれただけで……」と思うことはあったというが「でもここは自分の国じゃない。日本にいる限りは慣れないといけない」と話し、逆に後輩からは親しみも込めて〝フェル〟と呼ばせるなど、柔軟に対応してきた。
 もちろんそうした苦労は両親も同様、もしくはそれ以上だ。

「自分のためだけじゃなく、親のためにも野球をやっている。プロで成功して親を楽にさせてあげたい」

 フェルナンドの口調には熱がこもる。

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