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オリックス・駿太、不振脱却に光「気負いすぎず、自分の役割を」【どら増田のオリ熱コラム#54】

今季は開幕前からレギュラーを期待されていた駿太だが、打撃不振に苦しんだ。黙々と練習に取り組み、時にはアドバイスに耳を傾け、ようやく元の調子を取り戻しつつある。そんな駿太が今、特に意識していることがあるという。

2015/08/29

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「今は自分の役割をしっかり果たしたい」

 23日の日本ハム戦(東京ドーム)では試合前の練習で、アレックス・ラミレス巡回アドバイザーが駿太に少し長くアトバイスを送る場面が見られた。

「(ラミレス巡回アドバイザーの)言ってくれることは、細くてわかりやすいんですよ。すごく理解ができるので、やってみようという気持ちになりますね。練習でやっていることを体は覚えてますから自然に出てるとは思います。来てくれたのは大きいですね」

 今シーズンは打撃不振に陥っていた駿太だが、13日の福岡から状態は良くなってきた。13日から27日の成績は打率.349。しばらく2割を切っていた通算打率も.225まで上げてきた。四球での出塁も増えている。27日のロッテ戦では開幕前から目標にしていた1番センターでスタメン出場も果たした。

「今は状態が良いので、打ち損じが減ったと思います。ヒットが出なくても球を選んで塁に出てチャンスメイクして上の打順に繋げることが、自分の役割。バントでもエンドランでもしっかり決めなきゃダメだと思ってます。自分の役割を果たそうと思って打った結果が、ホームランになったら超ラッキーですよね。でも気負いすぎないようにはしてます」

 福岡辺りから何かに吹っ切れたのか、駿太の顔つきが非常に良くなってきたように思う。本人に伝えると「マジっすか!」と笑顔で答えていたが、考えすぎてしまうタイプの駿太にとって「気負いすぎないように」と意識を持つだけで、肩の力を抜いて試合に臨めているのではないだろうか。

 今の駿太はとにかく役割を果たすことに全力を注いでいる。試合前のバント練習も日を追うたびに熱を帯びているのが見てわかる。

「もう負けられないので、今の状況を現実的に受け止めて、ひとつでも多く勝つだけです」

 最後に残り試合について話を聞くと、駿太は力強く言い切った。
 福良監督代行も毎日のように「負けたら終わりの気持ちでやっている」というコメントを出しているが、それは駿太をはじめ選手も同じ思い。ミラクルを起こすべく今日も駿太はバットを振り続ける。

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