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プロ8年目、高校時代は中田キラーの植松優友 「Jリーガーの友と交わした約束を果たす」【マリーンズ浦和ファーム通信#4】

一軍での活躍を夢見て、日々二軍の浦和球場で汗を流す選手を、マリーンズ広報がクローズアップする連載『マリーンズ浦和ファーム通信』。第4回目は、今季8年目にして一軍のマウンドを経験して、さらなる飛躍を誓う植松優友投手だ。

2015/08/24

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画像提供:千葉ロッテマリーンズ



8年目にして初 一軍のマウンド

 プロ8年目。植松優友投手は、やっと一軍のマウンドに立った。6月4日、舞台は地元・関西。野球の聖地・甲子園。3万365人の観衆。そして家族など80人を超える知り合いが応援に駆け付けてくれた。

 左肩、両足股関節の手術を受けるなど怪我に悩まされた日々。悔しさ、焦りにも歯を食いしばり、ここまで頑張ってきた思いをボールに込めた。阪神打線相手に6回を投げて被安打4、6奪三振、1失点。負け投手にこそなったが、完全アウェーといわれる甲子園で堂々たるピッチングを披露した。

「やっとプロ野球選手のスタートラインに立てたという気持ちでした。8年間もやらせてもらっているのに、まだチームになんの力にもなっていない。なんとかしたい。その想いだけでした。自分を評価して球団に推薦してくれたスカウトの方、高校時代にお世話になった方々、家族。いろいろな人たちのためにも頑張ろうと思い、投げました。しっかりとストライク先行のピッチングができれば、なんとかなるという手ごたえを掴めたかなあとは思っています」

 黒星は喫したが、プロ初登板初先発での確かな手ごたえをつかむことができた。首脳陣も好評価を下した。次回登板でとなった6月11日の中日戦(QVC)で打たれ、その後は再び二軍生活が続くが、初めて一軍を経験したことで、なにをどうすればよいかのイメージを見つけることができた。

 今は炎天下のロッテ浦和球場で必死に汗を流し、次のチャンスに向けて準備を続ける日々が続く。

 中田キラー。植松を語る上で必ず出てくるフレーズである。07年の大阪大会の決勝で同学年のナンバーワン打者として注目を集めていた現日本ハムの中田翔内野手から3三振を奪うなど、3年間を通じて13打数無安打に抑えたことがクローズアップされ、注目を集めた。その時の野球ファンの期待を本人は今でも覚えている。

「そう言われるのは嫌ではないです。彼は本当に凄いですから。自分にとっても、誇りだし、高校時代に結果として抑えたことで自信になった部分はある。大きな差にはなっていますが、いつか必ず対戦をしたい」

 そう思い、願い、必死にボールを投げ、8年間が過ぎた。挫折しそうになったこともある。それでも、ずっと意識していたある親友の存在が植松を奮い立たせている。金光大阪高等学校時代の高校2年、3年と気の合う友が同じクラスにいた。彼はサッカー部で活躍する名の知れた選手だった。Jリーガーになると周囲から言われていた。プロ野球を目指していた植松は親友であると同時にアスリートとして刺激を受ける相手だった。

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