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楽天の新助っ人ブランドン・ディクソンってどんな選手? 19年に15本塁打放った大砲候補のユーティリティー【成績データ分析】

2021/01/25

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 ストーブリーグに突入したプロ野球。戦力補強で大きな比重を占めるのが、助っ人外国人選手の存在だ。近年は、メジャーリーグで輝かしい実績を残した選手の来日も珍しくなく、昨オフはメジャー通算1939安打を放ったアダム・ジョーンズ外野手や、遊撃手としてゴールドグラブ賞を受賞した経験を持つアルシデス・エスコバー内野手らビッグネームも来日した。
 

 
 新たな助っ人外国人選手の中にも、メジャーリーグで活躍した選手が名を連ねている。ここでは経歴、メジャー時代のデータに着目し、各選手の特徴やプレースタイルに迫っていきたい。今回は2021年シーズンを東北楽天ゴールデンイーグルスでプレーするブランドン・ディクソン内野手だ。

経歴

 ディクソンは、アメリカ合衆国出身の28歳。身長188センチ、体重97キロ。右投右打の内野手兼外野手だ。2013年にドラフト3巡目(全体92位)でロサンゼルス・ドジャースに入団。18年シーズン途中にシンシナティ・レッズでメジャーデビューを果たした。
 
 デトロイト・タイガースに移籍した2019年には、レギュラー格として112試合に出場。打率.248、15本塁打を放ち、守備でも内外野を守るなど攻守で存在感を放ったが、さらなる飛躍が期待された20年は、5試合の出場で打率.077と低迷していた。
 
 MLB通算成績は、196試合出場、打率.228、119安打、20本塁打、64打点、5盗塁、OPS.681(出塁率.271+長打率.410)となっている。

プレースタイル

 打撃面は、生粋の長距離砲といえるだろう。メジャーデビューした2018年には74試合出場で5本塁打、19年はチーム最多の15本塁打を放ち、3シーズンで通算長打率.410と及第点以上の数字を残している。
 
 一方で、確実性の低さは大きな懸念材料だ。ブレイクした2019年は、391打数で136三振を喫し、四球も21個と低水準。通算出塁率.271の粗さは、日本球界での活躍に向けて克服すべき課題だろう。
 
 守備面は、通算92試合を守った一塁を筆頭に捕手、遊撃以外の全ポジションをこなせるユーティリティー性が魅力。外野でも主に両翼として計60試合で守備に就いた。守備力が高いとはいえないが、メインの一塁では通算守備率.993と安定感を見せた。

ゾーン別打率


 
 上記は2019年のゾーン別打率だ。20年は13打数と少なかったため、19年のデータを使用した。同年は内角のベルト付近から低めに強さを発揮。真ん中低めのゾーンも18、19年と打率.300を超えている。低打率に終わったゾーンについては、シーズンごとに大きく異なっていた。

球種別

 カーブなどのブレーキングボールを得意とする傾向が見られた。特に2019年は打率.295、15本中9本が同球種をとらえたものだった。また、残る本塁打は速球から放つなどスピードボールの対応も問題ないだろう。一方でチェンジアップなどのオフスピードピッチは弱点で、18年から3年連続打率.100台と苦しんでいる。

左右別相性

 左右別の打率で大きな差は見られないものの、OPSに関しては対右投手が上回っていた。また、左投手に対しての四球の少なさは気になるところ。本塁打は右投手から通算20本中15本を放っているが、対戦数が多いことに起因する。