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2020年シーズンの沢村賞は誰だ! 一騎打ち予想の菅野智之と大野雄大、対抗馬となる可能性残す投手は?

2020/11/18

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 プロ野球は14日、公式戦全日程を終了。セ・パ両リーグの個人タイトル受賞選手も確定した。
 

 
 今後発表されていく表彰の中で、最も注目が集まっているのが、熾烈を極める沢村栄治賞(通称沢村賞)争いだ。読売ジャイアンツの菅野智之投手と中日ドラゴンズの大野雄大投手が最有力候補に挙げられているが、対抗馬となり得る成績を残した投手もいる。

菅野智之、大野雄大の成績比較


 
 例年の沢村賞の評価基準は以下の通りだ。
 
防御率:2.50以下
登板試合数:25試合以上
投球回数:200回以上
勝利数:15勝以上
勝率:.600以上
奪三振数:150個以上
完投試合数:10試合以上
 
 加えて、2018年から「7回3失点以内の割合」が補足項目として追加。これらの項目をいくつクリアできているかが受賞の大きな要因となっている。しかし今季は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で開幕延期。試合数も120試合に減少し、両リーグ通じて登板試合数、投球回数、勝利数を満たした先発投手は存在しなかった。
 
 一騎打ちの様相を呈しているのが、巨人の菅野と中日の大野雄だ。
 
 菅野は、7項目中2項目をクリア。惜しくも評価基準の15勝には届かなかったが、球団新記録となる開幕13連勝を含む14勝、勝率.875で最多勝、最高勝率のセントラル・リーグ投手2冠に輝いた。勝利数、勝率では大きく差をつけ、レギュラーシーズン最終戦となった14日DeNA戦では、5回無失点の好投で防御率も1点台に突入。リーグ優勝を果たしたチームへの貢献度も評価の一つとなるだろう。
 
 対する大野は、7項目中3項目をクリア。9月15日広島戦の2回から、10月22日DeNA戦終了まで無失点投球を続け、球団新記録となる45回連続無失点を記録した。最終的に防御率1.82、148奪三振で最優秀防御率、最多奪三振のセ・リーグ投手2冠に輝いた。注目すべきは、完投数だ。菅野の3完投に対し、大野雄は評価基準をクリアする10完投をマーク。投球回も両リーグ最多の148回2/3、1試合平均7.43回を投じた。
 
 菅野が受賞すれば2018年以来2年ぶり3度目(NPB史上最多タイ)、大野雄が受賞すれば自身初。2人同時受賞となれば2003年の井川慶投手(当時阪神)、斉藤和巳投手(当時ダイエー)以来、17年ぶり3度目となる。

対抗馬となる可能性残す3投手


 
 菅野、大野雄の対抗馬となり得る成績を残したのが、阪神タイガースの西勇輝投手、広島東洋カープの森下暢仁投手、福岡ソフトバンクホークスの千賀滉大投手の3投手だ。
 
 西は、7項目中2項目をクリア。大野雄に次ぐリーグ2位の147回2/3を投じ、4完投をマークした。ゲームメイク能力の高さも見せ、QS率では規定投球回に到達した投手の中で両リーグトップの81%を誇った。
 
 ドラ1ルーキーの森下も、7項目中2項目をクリア。ルーキーらしからぬマウンドさばきでリーグ2位の防御率1.91をマークした。奪三振数では劣ったが、奪三振率9.10はリーグトップの数字となった。
 
 千賀も、7項目中2項目をクリア。防御率2.16、11勝、149奪三振で最優秀防御率、最多勝、最高勝率のパシフィック・リーグ投手3冠に輝いた。防御率、勝利数では劣るものの、奪三振数は両リーグトップタイ、奪三振率は単独トップの11.08を誇り、菅野と同じくリーグ優勝を果たしたチームへの貢献度も高い。
 
 他にも、千賀とともに最多奪三振のタイトルを獲得したオリックス・バファローズの山本由伸投手、最多勝、最高勝率のパ・リーグ投手2冠に輝いたソフトバンクの石川柊太投手らも存在感を放ったが、山本は8勝となった勝利数、石川は規定投球回未満という点に物足りなさが残った。
 
 昨年は受賞者なしとなった沢村賞。2年ぶりの栄冠を手にするのは誰か。2年連続受賞者なしに終わるのか、ペナントレースが終わった後もプロ野球から目が離せない。



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