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ペナント争いに大異変? 交流戦11年目のルール変更【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】

ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』(イーストプレス刊)の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週2回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。今回は、11年目を迎える交流戦の過去の成績と今季から導入されるルールについてだ。

2015/05/26

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過去10年間はパがセを圧倒

 2005年に始まった交流戦も今年で11年目を迎える。この間試合数をはじめ、さまざまに概要が変化したが「違うリーグのチームと公式戦を戦う」制度はすっかり定着した。

 まずは駆け足で交流戦10年の歴史を振り返ろう。
 2005年から2009年までの5年間の戦績だ。右の「位」は交流戦の順位をさす。
 下段にはリーグのトータルの勝数。勝ち越したリーグは赤字で表示した。

広尾様0526表1

 2005、2006年は各チームとの6試合総当たり、36試合制。パリーグは当時、136試合だったため3割近くが交流戦だったことになる。
 2005年はロッテが優勝。最終的にはプレーオフで西武、ソフトバンクを破ってリーグ制覇。そのままの勢いで日本一に輝いた。
 2006年もロッテが連覇。アレックス・ラミレスが大活躍したヤクルトとは1ゲーム差だった。2年間はパリーグが連勝したが勝差はわずか1で、実力はほぼ拮抗していた。

 2007年から各チームとの4試合総当たり、24試合制となる。この年は日本ハムのグリンが5勝を挙げる大活躍で優勝に貢献した。
 2008年は、ソフトバンクと阪神が同率首位となったが、前年度の交流戦で上位だったソフトバンクが優勝。この頃からソフトバンクは、交流戦で大勝することが多くなる。
 2009年もソフトバンクが圧勝。しかしながらパの他球団はふるわず、初めてセがパに勝ち越した。今に至るもセがパに勝ったのはこの年だけだ。セは3球団が勝率6割を残している。

 2010年から2014年になると、かなり様相が変わってくる。

広尾様0526表2

 2010年は、パリーグの全球団が勝ち越し、セは巨人が5割ちょうど、他の5球団は負け越した。特に横浜は24試合で6勝しかできずに苦戦した。
 2011年もパリーグが圧勝。ソフトバンクはこれまでの最高勝率である.818をマークした。

 2012年は巨人が初優勝したが、トータルではパが1つ勝ち越した。
 2013年は、またパリーグが圧勝。この年24勝を挙げた楽天の田中将大は、交流戦でも4勝0敗だった。
 そして昨年は巨人が2度目の優勝を果たした。しかし全体としてはパが勝ち越した。
 10年間で実にパリーグが9回勝ち越している。

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