【広尾晃の「ネタになる記録ばなし」】 注目！Ｖ争い、ＣＳ争いをかき回す、各球団の「9月男」
ブログ「野球の記録で話したい」を運営中で『プロ野球解説者を解説する』（イーストプレス刊）の著者でもある広尾晃氏。当WEBサイトでは、MLBとNPBの記録をテーマに、週２回、野球ファンがいつもと違う視点で野球を楽しめるコラムを提供していく。第２回目は、「「9月男」に注目すると、ペナントレースが面白く見られる」だ。
2014/09/22
やはり「9月男」が多い最下位・楽天
パリーグを見てみよう。退任を表明した星野仙一監督率いる楽天が、9月は12勝5敗。銀次、島内が絶好調。銀次は昨年9月は.229だったが、今年は8月.352、9月は.470と打ってかわって数字を残している。オリックスの糸井を振り切り、初の首位打者獲得が目前だ。
やはり、優勝争いから脱落したチームから「9月男」が出やすいようだ。
そして契約問題がちらつくアンドリュー・ジョーンズも3割をマーク。もともと選球眼がよく、四球の多さでも知られている。実際、9月は15安打に加えて、四球も16個選んでいる。
栗山、陽岱鋼も好調。特に陽は8月に6本塁打、9月も4本塁打と長距離打者に進化しつつある。
打率は低いが、日本ハムの中島卓也は8盗塁と走っている。こういう選手の存在もチームにとって大きく、短期決戦でキーマンとなりうるだろう。
外国人助っ人を見ると、ここにきてデスパイネが当たってきた。
日本球界にようやく慣れてきたという印象があり、今月だけで4本塁打。39試合で10本塁打をマーク。来年、年間通じてプレーした場合、非常に楽しみな選手だ。
李大浩は7月、8月で2本塁打、率は残していたものの勝負弱い印象があった。しかし、9月に入ると5本塁打、尻上がりに調子を上げてきたのは、さすがといっていい。
各球団、残り試合が10～15試合になった。優勝争いをするチーム、あるいは上位叩きを演じるチーム、来季に向けてアピールする選手――自分なりの目線で「9月男」「10月男」に注目すると、野球を面白く見ることができるだろう。