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トラウマになった「山賊打線」の恐ろしさと、ロドリゲスの「第一発見村人」性【えのきどいちろうのファイターズチャンネル#75】

SNSから火が付き、新聞の見出しにまでになった西武の「山賊打線」。ファイターズは、開幕から2018年シーズン春の代表的「山賊被害者」とも言えるのではないか。

2018/05/07

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野性味あふれる現在の西武打線

 GW、パリーグ党の話題は5月4日付の日刊スポーツ紙が「山賊打線 首領山川12号3打点でL1番20勝」という見出しをつけたことじゃなかったか。打棒爆発、圧倒的なパワーで勝ちまくる西武打線を「山賊打線」と呼称するのがネットを中心にジワジワ広がり、ついにスポーツ紙で「公認」された形だ。実はこの動きには僕も一枚噛んでいて、4月30日『荻上チキのSession-22』(TBSラジオ系)の野球回トークでじゃんじゃん連発し、普及にまい進した。今シーズン、AMラジオに「山賊打線」というフレーズがのった最初かどうかは知らないが、少なくとも最初期の1エピソードだと思う。
 
 僕がSNSで見かけたときには「山賊打線」と言ってる人が既に大勢いて、うわ、すっごい感じ出てるなぁと気に入ったのだ。まぁ、何しろ僕のひいき球団、ファイターズは開幕シリーズ西武戦・屈辱の3連敗からスタートし、4月18日のメットライフドームでは8対0でリードしてた試合を8、9の2イニングでひっくり返されている。あの無慈悲な、身ぐるみはがされるような集中打がすっかりトラウマになっている。まぁ、ちょっと自慢気に聞こえるかもしれないが、2018年シーズン春の代表的「山賊被害者」(?)はうちじゃないかと思うのだ。
 
 秋山、源田、浅村、山川、森、栗山、メヒア……とタイプの違う強打者、巧打者をズラッと揃えたラインアップは近年にない野性味である。これで中村剛也が復調したらどうなってしまうのか。この打線に「山賊」感があるのは集中打がある点だ。「ものども、かかれ~!」という合図(?)でボッコボコにされる。ボクシングでいえばガードしてもクリンチしても殴られ続ける感じだ。だからホームランもあるけれど、むしろ繋がりまくる恐怖感である。これが、ややもすると打者一巡してしまう。本当に「身ぐるみはがされる」イメージがある。「山賊被害者」ならわかると思う。狭山丘陵を根城に暴れているニュアンスもぴったりじゃないかな。
 
 実は僕が「山賊打線」推しになった背景には1970年代、平和台球場で見た「太平洋クラブライオンズ」の記憶も関係している。元祖「山賊打線」だ。江藤慎一、白仁天、土井正博、ビュフォードだ。西鉄ライオンズ身売り→太平洋クラブライオンズ誕生の時期、僕は父の仕事の関係で福岡県久留米市に住んでいた。中学生だったから球場には滅多に行けなかったけれど、RKBやKBCのラジオ中継は毎日聴いていた。「金やんロッテ」との遺恨試合(!)をオンタイムで知ってるのだ。
 
 つまり「山賊打線」は強襲だけでなく、郷愁を感じるネーミング(今、「きょうしゅう」を変換しようとしたら「強襲」が出たのでさっそく使いました)なのだ。何とか山川穂高にイノシシの毛皮のベスト着せて、弾帯をバッテンに掛けたポスター作製してくれないかなぁ。まぁ、僕は長くパリーグファンを続けてるおかげで「山賊打線」を二度目にする栄誉を担ったことになる。こう、ライフワーク的に身ぐるみはがされてる男というのかな。うれしいことだ。

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