大谷翔平選手をはじめとした日本人メジャーリーガーを中心にメジャーリーグ・日本プロ野球はもちろん、社会人・大学・高校野球まで幅広いカテゴリーの情報を、多角的な視点で発信する野球専門メディアです。世界的に注目されている情報を数多く発信しています。ベースボールチャンネル



「お前ら悔しくないのか!」。今の選手、監督にも怒り…江本孟紀氏が語る人間・星野仙一

 野球評論家の江本孟紀氏は、2018年1月4日すい臓がんのため70歳で亡くなった星野仙一氏と長年にわたって交流があった。選手を叱咤激励し続けた星野氏について旧知の江本氏にはどのように映ったのか。3月22日に『僕しか知らない星野仙一』を上梓した江本氏が客観的に分析する。

2018/03/20

text By



星野さんの現役、監督としての成績を分析する

 星野氏は現役通算14年で146勝34セーブ、監督としては17年間で1181勝、リーグ優勝4回、日本一1回の成績をおさめた。
 

 「星野さんご自身、現役時代の成績については、『二流の上、でも一流じゃない』という言い方をよくしていました。つまり『一・五流』という意味なのかもしれませんが、14年間現役を過ごしていた時期を考えると、シーズン平均で10勝以上していたわけですから、これは大したものですよ」(江本氏)
 
 星野氏の146勝という数字は、2018年3月現在、日本プロ野球機構(NPB)の通算勝利記録の上位100傑で見ていくと、星野氏の勝利数は50位にあたる。ちなみに江本氏は、
 
 「僕は通算113勝で、114勝の森中千香良さんが100位ですから、101位でランク外です。ま、僕らしくていいんじゃないですか(笑)」
 
 監督としての成績は歴代で10位。川上哲治さんの1066勝(監督年数15年)、長嶋茂雄さんの1034勝(監督年数15年)を上回る。
 
 「川上さんはリーグ優勝の回数が11回で、日本一を制覇したのも11回と抜群の数字を残しています。長嶋さんだってリーグ優勝5回、日本一2回と星野さんを上回っている。これについては、星野さんは両人より上を目指そうとは考えていなかったんじゃないでしょうか。
 
 ただし、『通算勝利数』にはこだわっていたかもしれません。星野さんが監督を15年で辞めてしまっていたら、1052勝で終わってしまい、川上さんの勝利数を上回ることはできなかった。『オヤジさん』と慕っていた川上さんの勝利数を超えたことについては、星野さんは満足していたのかもしれません」

1 2 3