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「新たな阪神を」星野氏が託した夢。金本監督が継ぐ“闘将イズム“と逆襲Vのキーマン

楽天球団副会長の星野仙一氏が4日、すい臓がんのため死去した。70歳だった。突然の訃報に各界から早すぎる死を惜しむ声が広がるが、その“闘将イズム”は教え子に引き継がれる。

2018/01/09

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阪神Vのキーパーソンとは…

 最後に個人的には、今年のタイガースVのキーパーソンとして藤浪晋太郎投手の名も挙げたい。今季はスランプにはまり、3勝5敗、防御率4.12とプロ5年目にしていずれも自己ワーストの記録を更新。死球乱発から「イップス」に悩まされていたとの話も耳にするが、いずれにせよこのような低迷で沈んでいく投手ではないはずだ。
 
 2012年のドラフトでは阪神が当時、大阪桐蔭のエースだった藤浪を抽選の末に当たりくじを引き当て、1位指名権を得た。この時、古巣の様子を楽天の監督として会場のテーブルで見ていた星野氏は他球団所属でありながらも満面の笑みを浮かべながら、拍手を送っていた。
 
 将来性抜群でポテンシャルの非常に高い投手を愛着の深いタイガースが獲得できたことで、心の底から喜んでいたのだ。星野氏とは、そういう人情味のある人だったのである。
 
 あれから5年が経過したが、そんな星野氏の期待に藤浪はまだまだ応えることが出来ていない。だからこそ今年こそは『闘将イズム』の注入で汚名返上のきっかけを作り、必ずや復調してほしいと願う。藤浪が本来の力を発揮出来なければ、阪神のリーグVは絶対に成し得ない。
 
 天国の星野氏に捧げる意味でも今年は藤浪復活のホットトピックス、さらにVを目指して心を鬼にしながららつ腕を振るう金本監督の気迫あふれる姿を見たい。
 
 2018年シーズンは「闘将イズム」が浸透したタイガースの逆襲に期待する。

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