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ロッテ・井口、引退までのカウントダウン。あと2か月でチームに残すものは【マリーンズドキュメント】

千葉ロッテマリーンズの井口資仁内野手は今年6月20日、今季限りの現役引退を表明した。早期発表は、「1試合でも多く、自分のユニフォーム姿を見てほしい」というファンへの思いから。会見では爽やかな笑顔を浮かべていた井口だが、引退試合まで2カ月を切ったいま、何を思うのか。

2017/08/02

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千葉ロッテマリーンズ

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「まだ振り返らない」、チームの未来を築く現役選手の自覚

 涙に暮れることも、沈みこむこともなかった。そればかりか、いつもより笑顔が多かった。ZOZOマリンスタジアムで引退会見をした6月20日、花束贈呈をする鈴木大地と角中勝也の表情は寂しさでいっぱいだったが、彼らと並んだ井口資仁だけは、笑顔で写真に収まった。
 
 何度も繰り返した言葉は「今はまだ振り返りません」。しんみりとした空気は井口が自ら断ち切った。まだまだ現役選手としてやるべきことがある。その心意気に、周りの者は前を向き、今後の希望を見出したのだった。
 
 ここ数年は自らの引き際について考えていたという。最後のシーズンにすると決めた2017年。新年を迎えて、自主トレ、春季キャンプ、オープン戦、公式戦開幕、勝利、敗北、喜び、悔しさ……。プロ野球選手として長いあいだ日常となっていたことが、ひとつずつ最後の出来事に形を変えて通り過ぎていく。引退表明をするまでの日々には、人知れず噛みしめていた思いがあった。
 
 「行く先々で、前に来たときはこうだった、入団したときはこうだった、と、いろんなことを思いましたね。今年の開幕戦の福岡では、21年前にここでデビューしたんだなとか、自主トレのときは、もうここで辛い練習をしなくていいんだなとか(笑)。寂しさはありません。悔いを残さず、やり切ろうという気持ちです」
 
 引退表明後、鈴木大地や益田直也らは「もっと一緒に野球の話をしたい」と井口に直談判した。どの球場に行っても、井口に向けられる声援は迫力を増した。最後のユニフォーム姿を目に焼き付けようとする人々がたくさんいる。

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