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呉念庭が西武・長年の弱点を埋める。狙う正遊撃手の座、コーチ陣も絶賛の“野球センス”【2017年ブレイク期待の選手】

昨季、8月の中旬以降は遊撃手でスタメン出場していた埼玉西武ライオンズの呉念庭内野手。台湾のプロ野球チームで現在、監督を務めている父を持つ呉は、父親譲りの野球センスでチーム内でも絶賛されている。

2017/02/26

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野球センスの高さ

 また、試合に使い続けたもらえたことで、確かな手応えも掴めた。
 
 一つは、2軍で結果が出るきっかけとなった“予習・研究”をブレずに続ければ、1軍の投手に対しても通用するという自信が持てたことだ。そして、何より大きかったのが、自分が目指していくべき選手像が、明確になったことである。
 
 8月31日の対福岡ソフトバンクホークス戦だった。
 5回裏の攻撃で先頭で打席に立った際、10球連続ファウルで粘るなど、相手投手に18球を投じさせた。結果として左飛に倒れたが、ベンチに戻る際、スタンドのファンからは、その驚異的な粘りに対し、大きな拍手喝采が送られたのだった。その反応を見て、改めて自分の持ち味を再確認できたという。
 
 そして、それこそが、遊撃手のポジション争いを勝ち抜くための武器であることも、十分理解している。
 
「(遊撃手ライバルには、永江恭平、源田壮亮という)守備のスペシャリストが2人いるので、僕は打撃でアピールしたい。出塁率や粘ってヒットを打つ、四球をとる、最低でも球数を投げさせるなどが持ち味だと思っている。そこに、守備でアウトにしなければならない場面では確実にアウトにするという、基本的な部分での確かさを大事にやっていきたいです」
 
 今季から、辻発彦新監督が指揮を執ることになった。就任直後、秋季キャンプ、自主トレ期間突入前、そして今春季キャンプ前と、同監督は、節目には必ず選手たちに伝えている。
 
「一人一人が、勝つために何をしなければいけないのか、何をすべきかを考えて、意識を持って試合に取り組んでもらいたい」
 
 その指揮官の求めるものを、呉念庭は、1年目ではっきりと見つけられているのである。

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