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千葉ロッテ・井上、期待に応えられなかった苦悩の日々。 “因縁の地”で始まる4年目の逆襲【2017年ブレイク期待の選手】

ルーキーイヤーの開幕戦、昨季のクライマックスシリーズ・ファーストステージ第2戦で4番を任されるも、なかなかチャンスをつかめていない千葉ロッテ・井上。今季は3年前と同じヤフオクドームで開幕戦を行う。

2017/02/09

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千葉ロッテマリーンズ



何度もケガに泣かされた

「ボールに向かって行く気持ちが足りませんでした」
 
 2016年のパ・リーグクライマックスシリーズのファーストステージ第2戦。試合前のベンチ裏で、千葉ロッテマリーンズの井上晴哉は前日の自分の不甲斐なさを悔いていた。
 
 2016年のレギュラーシーズン成績は35試合出場で打率.232、2本塁打、16打点。
 相手先発の千賀滉大(福岡ソフトバンクホークス)との相性(7打数、3安打、1本塁打、打率.429)を買われてのスタメン出場だった。
 
 しかし、結果は3打数0安打2三振。伊東勤監督の期待に応えることなく井上は沈黙した。
 
「昨日は相手に振らされている感じがしましたし気持ちで負けていましたが、今日は練習から向かって行く気持ちで取り組みました」
 
 井上は気持ちを切り替えて前を向いた。
 
 この日の練習ではいつになくテンションを上げ、気持ちをより前に出しているようにも見えた。しかし、井上に出番が来ることはなかった。
 
 井上の弱点。それは一つにメンタルの弱さと言われてきた。
 
 プロ1年目。オープン戦での好調を買われて、井上は開幕4番の大抜擢を受けた。対戦相手は福岡ソフトバンク。しかし、期待に応えようと固くなり、それまでの好調とは一転して4打数0安打で終わった。
 
 その後もファームの好成績を買われて1軍に昇格するものの、良いところを見せようと焦る気持ちが空回りしてしまい成績には繋がらず、せっかくの高いポテンシャルを生かせない日々が続いた。
 
「結局、1軍でも甘い球は来ているんですよ。それを2軍では打てているのに1軍では調子に乗り過ぎてミスショットをしてしまっている。もっと冷静になるべきなんです」
 
 まるで自分に言い聞かせるように井上は言った。
 
「調子が良くても、調子に乗らない。気分良くなり過ぎない。調子が良いから試合に出してもらっているわけだから、そこで普通にやりさえすればいいんです。でも、これまでは調子が良いときは調子が良いからとすぐに気負ってしまっていた。それで結局、足元を掬われているのが今までの自分なんです」

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