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大谷翔平はMLB新労使協定の敗者? 選手獲得ルール適用外か、日米両機構から正式アナウンスを

メジャーリーグ機構と選手会が11月30日、新たな労使協定に合意したが、その結果、日米メディアは大谷翔平のメジャー移籍について様々な報道がなされている。

2016/12/04

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NPBとMLBは日米間選手契約に関する協定を締結

 ところが3日、今度は日本のスポーツメディアがそろって「大谷はインターナショナル・ボーナスプールの適用外」と報じた。ほぼ多くのスポーツ紙が日本野球機構(NPB)関係者をソースとし、NPB所属選手は「日米間選手契約に関する協定」が結ばれており、適用されないという見解を並べた。

 果たして、どちらが真実なのか?

 一つ間違いないのは、このインターナショナル・ボーナスプールは、中南米の選手を対象につくられたものということだ。ドミニカ共和国、ベネズエラなどから10代後半でメジャーに青田買いされる金の卵について、金満球団の一人勝ちにならないよう設定された。

 近年ではキューバ出身の亡命選手が急増したため、海外アマ選手ではないはずの彼らにも、契約金高騰を抑えるため「23歳未満、キャリア4年未満のプロ選手も含める」という条件も追加された。11月にブルージェイズと7年総額2200万ドル(約25億円)で契約したルルデス・グリエルは、この条件の適用外となるために、10月の23歳の誕生日を迎えるまでメジャー球団との契約を待たなければならなかった。そしてトロントとの契約があと1カ月遅れていたら、今回の新協定で条件が「25歳未満、キャリア6年未満」と拡大されたため、メジャー入りがさらに2年後になっていたかもしれない。

 従来、日本球界を向いていなかったはずのインターナショナル・ボーナスプールが、果たして大谷に適用されるのだろうか。マイナー契約など低額の契約はインターナショナル・ボーナスプールの総額に加えられないため、日本選手の契約がそこに加算されたことは過去にない。

米メディアは若干の軌道修正

 ヤフースポーツはその後になり、「新労使協定の真相」とまとめたリポートの中で大谷についても言及。「大谷のような選手には、ルールに手が加えられるかもしれない、と関係者が語った。市場に出れば2億ドル(約228億円)以上の価値がつく。無駄にメジャーデビューを待つ必要はない」と短い原稿で触れた。微妙に軌道修正をはかってきた格好だ。

 米メディアの一報を受け「後出しじゃんけん」に近い形だけに、今回のケースでは日本メディアの主張のほうが信憑性はある。

 一体、いつ大谷は海を渡るのか。答えはすぐには分かりそうもないが、新協定の影響だけでも日米機構から正式なアナウンスがほしい。少なくともファンはそれを待っている。

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