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元ロッテ・香月良仁のプロ野球人生#2 隠していた左足の靭帯断裂、トライアウトを受けなかった理由

今季、千葉ロッテマリーンズを退団した香月良仁。自身の野球人生は、いつ途切れてもおかしくなかった。しかし運命的な野球人との出会い、さらに野球を諦めさせなかった今は亡き父の存在によって、香月はプロ野球という限られた人しかプレーできない世界に足を踏み入れることができた。

2016/11/23

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オフにトレーニングができなかった代償

「少しは走れるようになったかなって思ったんですけど、オフに走り込みができていないので、ブルペンに入ってもどこか体のバランスが悪いんですよ。それでちょっと投げたり、ちょっと走ったりすると脹脛(ふくらはぎ)がパンパンに張ってしまって今度は肉離れ。3月のオープン戦の時期だったんですけど、その診断を受けた翌日にオリックス相手に3点取られて……」
 
 それでも下に落とされるのが嫌で、我慢を押し通した。もちろん周囲には黙ったままだ。
 テーピングをぐるぐる巻きにして、足首を固定しながら痛み止めを飲むそんな毎日。当然ながら自分が思うようなボールは投げることができなかった。
 それでも2軍投手コーチを務めていた小谷正勝と話し合い、現状で一番の投球フォームを模索して投げた。そして4月14日に1軍に昇格。けれど、満足の行くボールは相変わらず投げられないままだった。
 昇格してすぐの東北楽天戦、翌日の北海道日本ハム戦と、ともに1回を3人で無失点に抑えた。しかし、3連投となった16日の北海道日本ハム戦で3失点するとベンチ裏で指揮官から「なんで逃げるんだ、なんで勝負しないんだ」と怒声を浴びた。
 
 本当のことを言えないジレンマが、彼を苦しめた。
 
「この頃には痛みはなくなっていたんですけど、足首が細くなってしまっているんで、いくら強化しても間に合わないんですよね。それでも今、できる一番の投球をしようと試行錯誤しながらやってみたんですけど、自分本来のボールが投げられるようになったのは後半戦の本当に最後のほうになってから……。だからもう一度、1軍のマウンドで投げたいというのはありました」

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