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ジャパニーズドリームを求めて 西武入団が決まったセラテリ【豊浦彰太郎のMLB on the Web】

マイナーリーガーの月給はサラリーマンの初任給並みでしかなく、かつシーズン中しか支払われない。来日するマイナーリーガーの最大の理由はNPBでの高サラリーだ。祖母が日本出身のセラテリとてそれは同じだ。

2014/12/18

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マイナーからNPBへの挑戦

 埼玉西武ライオンズに入団が決まったメッツ傘下3Aのアンソニー・セラテリ内野手は、マイナー生活9年を経て、来季はNPBに活躍の場を求めることにした。

 セイバー系野球サイト『ファングラフズ』に12月14日に掲載されたデビッド・ローリア記者の記事によると、すでに31歳でメジャーの夢は消え去ろうとしているセラテリにとって、来日を決意するに至った最大の理由は金銭だったようだ。

Minor-league salaries are abysmal. The standard salary for first-year players is $1,100 per month. At the Double-A level, players get approximately $1,500 per month. Triple-A players can make markedly more, depending on experience and 40-man-roster status, but some earn as little as $2,150 per month. Major League Baseball’s minimum salary recently increased to $507,500 per year.
マイナーリーグの給与は本当にひどい。プロ初年度の標準的給与は月額1100ドル(約13万円)だ。2Aレベルでは、月額でおよそ1500ドル(約18万円)だ。3Aでは、経験があり(メジャー契約となる)40人枠に入っていればもっと稼げる。しかし、月額2150ドル(約25万円)ぽっちというケースもある。メジャーでは、最低年俸が最近50万7500ドル(約5938万円)に引き上げられた。

 この金額を見て「マイナーリーガーのサラリーはサラリーマンの初任給並みだな」と思われた方もいるだろう。しかし、彼らの現実はもっと厳しい。

Minor-league players only receive paychecks April through August. They aren’t paid during spring training, instructional league, or during the offseason. According to Garrett Broshuis, the Uniform Player Contract “requires players to perform work throughout the year, but teams aren’t paying them for that.”
マイナーリーガーに給与が支払われるのは(レギュラーシーズン期間である)4月から8月の間のみだ(訳者注 9月にはポストシーズンが行われるが、それに出場する選手には別途手当が支払われる)。春季キャンプ中や(10月に開催される)教育リーグ中、そしてオフの間は無給なのだ。ギャレット・ブローシャス(訳者注 元マイナーリーガーの弁護士)によると、選手は「年間を通じトレーニングに励むことが契約で求められているが、(シーズン中以外は)一切手当はない」らしい。

Each Nippon Professional Baseball (NPB) team has a 70-man roster and the lowest-paid player on any roster reportedly earned the equivalent of $44,000 US dollars last year. Seratelli signed with Seibu for $600,000, plus incentives.
With the majority of minor-league players in the United States making no more than $7,500 annually, Japan has plenty of appeal. According to Seratelli, “Playing overseas always comes up when you’re in the minor leagues.”
NPBでは各球団とも70人を保有し、支配下選手の最低年俸は昨年の場合4万4000ドルだ(訳者注 440万円と定められているため、1ドル=117円なら約3万7600ドルだ。ローリア記者は今だに1ドル=100円と思っているのか、消費者感覚では1ドル=100円のためそう記したのかは不明だ)。セラテリの場合は西武から60万ドル+出来高の年俸を受け取る。米国のマイナーリーガーの大多数は年俸7万5000ドル以下でしかないのだから、日本行きは魅力的だ。セラテリは、「マイナーにいるといつも海外でプレーすることを考えるものだ」という。

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