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落合博満氏、個人タイトルは「野球人生を変える」。鉄則は『逃げるが勝ち』【横尾弘一の野球のミカタ】

プロ野球もいよいよ終盤に差し掛かった。優勝争いとは別に注目されるのが個人タイトルだ。

2016/09/01

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タイトル争いの定義

 今季のプロ野球も残り30試合を切り、ペナントの行方とともに個人タイトル争いも何人かの候補者に絞られてきた。8月31日の時点で、本塁打はセリーグが37本の筒香嘉智(横浜DeNA)と33本の山田哲人(東京ヤクルト)、パリーグはエルネスト・メヒア(埼玉西武)とブランドン・レアード(北海道日本ハム)が30本で並ぶ。打点はセが新井貴浩(広島)の91を筆頭に、山田と筒香、ウラディミール・バレンティン(東京ヤクルト)が88、続いて82の丸 佳浩、鈴木誠也と広島勢にも可能性がある。パは91の中田 翔(北海道日本ハム)を、88のメヒアや87のアルフレド・デスパイネ(千葉ロッテ)が追う。
 
 登板数や試合の勝敗も関係してくる投手のタイトル、打率や防御率のように数字が上下するタイトルは運にも左右されると言われているが、数字を積み上げていく本塁打、打点、盗塁などは、ある程度まで限られた選手によるタイトルレースである。
 
 現役時代、常にそうしたタイトル争いを繰り広げ、3度の三冠王をはじめ、首位打者、本塁打王、打点王を各5回手にした中日ドラゴンズの落合博満GMは、タイトル争いをこう定義する。
 
「最も高い実力を備えた選手が獲るのではなく、その年に一番多く数字を積み上げた者の頭上に輝く。それがタイトルだ」
 
 つまり、本塁打を量産する力なら、シーズン60本塁打をマークした経験のあるバレンティン、あるいは現役最多の373本塁打を放っている阿部慎之助(巨人)ということになるのだろうが、今年の本塁打王は筒香か山田だ。
 
 仮に、筒香の本塁打数が40に届かなかったとしても、シーズン最多ならタイトルを手にできる。反対に、バレンティンが60本をマークした2013年なら、59本塁打でもタイトルは獲れなかったのだ。

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