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オリックス、リリーフ陣にようやく目途。塚原、吉田一、平野の『勝利の方程式』も完成【どら増田のオリ熱コラム#80】

前半戦を最下位で折り返したオリックスだが、18日から再開した公式戦では首位ソフトバンクを相手に2勝1敗と勝ち越し、好調な滑り出しを見せている。自力優勝が消滅しクライマックスシリーズ進出も厳しい状況に変わりはないが、今月に入り中継ぎ投手陣が整備されてきたことで、チームは強さを取り戻してきた。

2016/07/22

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“火消し役”比嘉に復活の兆し

「ああいうタイプが一枚いるのは大きい」

 7月10日の西武戦のことだった。
 オリックス・バファローズが3-2の1点リードで迎えた7回、1死2塁のピンチの場面で埼玉西武ライオンズの主軸打者・中村剛也、浅村栄斗を迎えると、福良淳一監督は比嘉幹貴をマウンドに送った。

 比嘉は中村を外角のフォークボールで空振り三振に斬って取ると、浅村には内角のストレートでショートフライ。一打同点のピンチを切り抜け、福良監督を唸らせたのだった。

 昨年手術をした影響でリハビリスタートとなった比嘉は開幕から出遅れたものの、6月12日に1軍昇格。17日の広島戦では鈴木誠也にサヨナラホームランを浴びたが、回跨ぎで登板した7月2日の千葉ロッテマリーンズ戦でアルフレド・デスパイネを空振り三振に打ち取ってからは、復調の兆しを見せていた。

 2014年には右の大砲を相手に火消し役を務め、62試合7勝1敗、20H、防御率0.79の好成績をマークした。そんな比嘉の復活は中継ぎ陣に厚みを持たせたといえるだろう。

 今季は開幕から救援陣がなかなか安定しなかった。佐藤達也の調子が上がらず、岸田護も故障で戦線離脱。そんな中で台頭してきたのが、オールスターに出場した塚原頌平とセットアッパーに転向した吉田一将だ。塚原が6回または7回を、吉田一が8回を担当。比嘉の復活で、中継ぎ陣が充実してきたというわけである。

 7月20日現在のオリックス主な中継ぎ・抑え投手の成績は以下の通りだ。

海田智行 21試合 0勝0敗 0S 4H 防御率2.53
比嘉幹貴 8試合 0勝1敗 0S 3H 防御率6.75
赤間謙 8試合 0勝0敗 0S 0H 防御率6.00
佐藤達也 33試合 0勝4敗 0S 9H 防御率5.18
吉田一将 35試合 4勝1敗 1S 10H 防御率2.56
塚原頌平 41試合 3勝1敗 0S 11H 防御率2.09
平野佳寿 34試合 1勝4敗 17S 7H 防御率2.31

 もっとも、今のオリックスにとって大きいのは、塚原、吉田一ら方程式の救援陣だけでなく、ビハインド時に投入される投手陣も充実してきていることだ。福良監督は「よく投げてくれている」とロングリリーフの登板の多い左腕の海田智行を高く評価。ルーキー右腕の赤間謙も、防御率こそ高いものの、6月19日からは6試合無失点と好投を続けているのだ。

 海田は「前は投げ急ぐことがあったんですけど、今のフォームにしてからはそれがなくなりました。回跨ぎで行けるようにファームでは先発もやっていたので問題ない」と手ごたえを感じ取っている。

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