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「相川」を失って「成瀬と大引」を得たヤクルト。プロテクトで誰を守り、誰を失う?

FA選手の去就が話題となるストーブリーグ。なかでも注目を集めるのが、FAによって相川亮二が巨人に移籍し、成瀬善久(前ロッテ)と大引啓次(前日本ハム)を獲得したヤクルトだ。仮に人的補償となった場合、誰を獲得し、誰がチームから去ってしまうのか。編集部で独自にヤクルトのプロテクトリストを作成し、その去就を予想してみた。

2014/12/06

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プロテクト予想は投手15名、野手13名

 チームとしては例を見ないほどFAによる選手の移籍が活発となった今季のヤクルト。2シーズン連続リーグ最下位という憂き目にあったこともあって、チームの再建を本気ではかろうとする気持ちの表れといえるだろう。

 正捕手として活躍を続けた相川を巨人への移籍で失ったが、ロッテから実績十分の左腕・成瀬善久、日本ハムからはショートのレギュラーを担うであろう大引啓次を獲得。チームの弱点といわれるポジションを確実に補強し、来季の巻き返しを虎視眈々と狙っている。

 そこで気になってくるのが、人的補償による選手の〝獲得と消失〟。相川が移籍した巨人から誰を獲得し、成瀬と大引の獲得によって誰を失うことになるのか。編集部サイドで、独自のプロテクトリストを作成し、ヤクルトの人材の動きを予想してみた。

 以下が、編集部独断で予想した、ヤクルトのプロテクトリストである。

■投手(15名)
(プロテクト入りが確実視される選手)
由規、石山泰稚、秋吉亮、村中恭兵、杉浦稔大、石川雅規、館山昌平、久古健太郎、小川泰弘、岩橋慶侍、中澤雅人、児山祐斗、徳山武陽、八木亮祐
(ボーダーライン)
山本哲哉

■捕手(3名)
(プロテクト入りが確実視される選手)
西田明央、中村悠平
(ボーダーライン)
田中雅彦

■内野手(7名)
(プロテクト入りが確実視される選手)
西浦直亨、川端慎吾、山田哲人、畠山和洋
(ボーダーライン)
田中浩康、森岡良介、谷内亮太

■外野手(3名)
(プロテクト入りが確実視される選手)
雄平、上田剛史
(ボーダーライン)
飯原誉士

 投手15名、野手13名の計28名が、編集部が予想するヤクルトのプロテクトリスト。各ポジションでボーダーラインとした選手は、状況次第でプロテクト漏れの可能性も考えられるという解釈だ。次項以降では、ポジションごとにリストを精査していきたい。

チームの高齢化で伸びしろを期待される若手を優遇?

■投手(15名)
(プロテクト入りが確実視される選手)
由規、石山泰稚、秋吉亮、村中恭兵、杉浦稔大、石川雅規、館山昌平、久古健太郎、小川泰弘、岩橋慶侍、中澤雅人、児山祐斗、徳山武陽、八木亮祐
(ボーダーライン)
山本哲哉

 まずは投手から見ていきたい。来季の予想先発ローテは実績を考えても、石川、小川、新加入の成瀬は確定だろう。残りの枠は杉浦、村中、石山、八木といった選手で争いが繰り広げられると予想される。中継ぎは今季、活躍を見せた秋吉、中澤がかなりの高確率でプロテクト入りしていると考えられる。

 気になるのはケガ明け、もしくはケガ持ちの選手だ。

 今季、シーズン序盤に右ヒジなどの手術を受けた館山は過去の実績もあり、プロテクトされている可能性が高い。さらに、こうした実績十分の選手をリストから外せば、仮にその情報が漏れた場合、チームの士気にも大きく影響するため、堅いのが妥当だろう。

 由規も同様にケガ明けの選手で、現在は実戦復帰したばかりで調整中。しかし、来季は復帰が見込まれ、球団からの期待値も高く、まず間違いないだろう。また同じくケガ持ちながら、一昨年に寺原隼人の人的補償としてソフトバンクからオリックスへと移籍した馬原孝浩の例もあって、球団も慎重になるのではないだろうか。

 もう一点、現状のヤクルト投手陣には年齢の若い選手が少ない。そう考えると、来季プロ2年目となる岩橋や児山はともに若く、伸びしろを期待されてのプロテクト入りが十分に考えられる。

■捕手(3名)
(プロテクト入りが確実視される選手)
西田明央、中村悠平
(ボーダーライン)
田中雅彦

 続いて捕手。中村、西田の来季の一軍は間違いないだろう。両者でレギュラー争いをさせるという話もあり、どちらかがポスト相川と呼べる存在になっていくはずだ。

 田中をボーダーラインとしたのは、巨人の捕手陣がプロテクト漏れしている可能性を考えての判断。ただし、相川というベテランが抜けたこともあり、これ以上の捕手の流失は大きな痛手。限りなく確定に近いボーダーラインと見る。

■内野手(7名)
(プロテクト入りが確実視される選手)
西浦直亨、川端慎吾、山田哲人、畠山和洋
(ボーダーライン)
田中浩康、森岡良介、谷内亮太

 内野手だが、川端、山田、畠山のレギュラー組はプロテクト確実だろう。また、ショートのレギュラー候補として大引を獲得したが、内野手全体の平均年齢も上がってきているため、若く活きのいい選手は残しておきたいはず。そうなると、来季プロ2年目、3年目を迎える大卒の西浦や谷内は、プロテクトされている可能性が低くないと見る。

 選手会長の森岡をボーダーラインにした理由は以下の3点。大引の加入によるショートの選手の〝だぶつき〟、さらには中日からの移籍組であり、いざとなれば同タイプの今浪隆博がいるため。しかし、バッティングの勝負強さは魅力十分なだけに、チームに残れば当然、役割は用意されているはずだ。

 長くセカンドのレギュラーを務めた田中は、実績は申し分ないながらも山田の台頭もあって近年は出場機会が大きく減少。来季の構想から外れている可能性も否定できないため、ボーダーラインとした。

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