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カープ新外国人・デラバー、波乱万丈の野球人生。一度は解雇、高校の補助教員からオールスター投手へ

広島がスティーブ・デラバーの獲得を発表した。13年に米オールスターにも出場したデラバーは、一時は高校の補助教員を務めたこともあるほどの苦労人。数々の逆境を乗り越えてきた右腕は日本でどんな活躍を見せるのか。

2016/07/02

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奪三振能力は高いが、制球面に課題

 デラバーの最大の持ち味はこの奪三振にある。

 最速156km/hのフォーシームにツーシーム、スライダー、スプリットを織り交ぜ打者をなぎ倒していく。空振り率20%超のスプリットは三振を取るためのウイニングショットとして機能しているが、初球から使っていくことも多い。速球系も被打率.230以下と優秀で、日本に来る投手に多い「球速は速いが打ち込まれていた」タイプではない。

 12、13年と2年連続で奪三振率12越えを記録するなど、奪三振能力はメジャーでも上位。三振絡みの記録に関わることも多く、12年8月にはMLB史上初の「延長での1イニング4三振」、13年7月には「三者連続3球三振」を記録している。

 奪三振能力という点では、メジャー屈指のものを持っているデラバーだが、その制球難ゆえにメジャーの舞台で大成することはできなかった。過去6年間メジャーでプレーしているが、BB/9(四球率)が4.0を下回ったのは2012年だけ。通算194.2イニングに対し102四球と、約2イニングに1つの割合で歩かせている計算になる。今年は8イニングで10三振奪いながら四球も同数の10個出している。日本に来る多くの外国人投手に言えることだが、この制球難を改善できるかが成功の鍵となるだろう。

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