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巨人・内海、救世主になれるか? 2軍で苦しむベテラン左腕を抜擢した高橋監督の狙い

巨人の左のエースがいよいよ一軍のマウンドに上がることになりそうだ。しかし、二軍で必ずしも安定した投球を見せているとは言い難い。

2016/05/11

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2軍では不安定な成績だが……

 チームの救世主となるか。それとも――。巨人の内海哲也が5月7日、今季開幕後初めて一軍の練習に初めて参加。5月9日にはジャイアンツ球場でブルペン入りもしたという。昨季は左前腕部の炎症などコンディション不良に悩まされて一軍に定着できず、わずか5試合の登板で2勝1敗、防御率5.01。今季のオープン戦でも結果を残せず、開幕以降も二軍で調整を続けていた。

 当初は5月11日の阪神戦(甲子園)で先発マウンドに立つことが決まっていたものの、前日10日の阪神戦が降雨中止となったため当日先発予定だった田口麗斗が11日にスライド。これにより内海が先発に復帰するとなれば14日以降のヤクルト戦(東京ドーム)が有力とみられている。だが、いずれにせよ、この内海の先発起用は現状を見る限りにおいてかなり〝危険な賭け〟であると言わざるを得ない。
 ここまでの内海は二軍6試合に先発登板し、防御率4.28と非常に苦しい数字に悩まされている。直近3試合の登板を見ても4月15日の楽天戦(ジャイアンツ球場)では3回2/3を投げて6安打4失点で最後は危険球退場となり、4月22日の西武戦(西武第二球場)は7回6安打4失点、さらに5月3日のヤクルト戦(ジャイアンツ球場)も5回10安打5失点と打ち込まれ、まったくと言っていいほどに結果を残せていない。

 ファームの成績だけで判断すれば今の内海は、どうひいき目に見ても一軍の戦力として計算が立ちそうもない。残念ながら、それは誰の目にも明らかだろう。それでもチームが白羽の矢を立てざるを得ないのは、先発投手陣の苦しい台所事情があるからだ。

 エースの菅野は八面六臂の活躍で、開幕から負けなしの4連勝と申し分なし。しかし、そのエースとともにフル稼働が期待されていたポレダが不振に陥って二軍落ちとなってしまった。ただでさえ、先発メンバー不足の中で助っ人左腕を欠く事態に発展してしまったことは首脳陣としても想定外だった。

 そんなローテの谷間を埋めるべく、首脳陣は5月6日の中日戦(東京ドーム)では昨秋に育成ドラフト8位で指名されたルーキーの長谷川を二軍から引き上げ、先発させた。しかしながら、期待のルーキー左腕は4回2/3を8安打1四球4失点で途中降板となり、黒星。育成ドラフトで入団した投手が1年目から先発デビューを果たすケースは史上初だったとはいえ、これも冷静に分析すれば、それだけチームの先発ローテが火の車になっているということだ。

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