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チーム低迷でも「値引きせず」。高級ブランド会社と同様のチケット販売戦略から見る、スポーツビジネス【経営学から見たカープ】

どんなに成績が低迷してもチケットそのものの値引きをしない。その一方でチケットを買うに見合った独自性・魅力性を担保する。ブームを客観的に見て、次の戦略に打って出る。現在のスポーツビジネスに求められる姿勢ではないだろうか。

2016/04/04

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次のターゲットは、野球をやっている若い男性層へ

 しかし、カープも現在のチケット販売の勢いが続くとは考えていない。
 
「現在、野球とは縁遠かったライトな女性層の集客はできており、男性よりも女性のお客様のほうが多くなっていると思います。しかし、それにあぐらをかかずに貪欲に層を広げていきたいです。例えば野球を実際にプレーしている若い男性層。ここをもっと増やしていきたい。やはり野球人口も減っているので、実際にプレーしている層に観戦を含めた野球の素晴らしさ、楽しみ方を伝えていきたいと思っています。そうすることで、野球界全体も盛り上がると思います。ゆえに、このような方たちを支援するスポーツ振興の部分も大切になってくると思います」(島井氏)
 
 エンターテイメント産業は、流行りすたりがある。しかし、その波を安定させるためには、社会の流れを読まなくてはならない。島井氏もそのあたりに危機感を感じていた。このように好調な時こそ、冷静にならなければならない。そういう意味では、ぜひカープ球団にはスポーツや野球の振興にも力を入れてほしい。
 
 ブームを客観的に見て、次への戦略を考える。そのような動きが現在のスポーツビジネスに求められているのではないか。
 
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