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バッテリー除く全ポジションを守ったオリ縞田。使い勝手の良さで勝負するユーティリティ・プレイヤー

チームにとって、ユーティリティ・プレイヤーは貴重な存在だ。オリックスの縞田は昨年バッテリー以外の全ポジションを守った唯一の選手だ。

2016/01/09

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オリックス・バファローズ



1試合で全ポジションを守った高橋

 NPB史上では、1シーズンに全ポジションを守った選手が一人だけいる。高橋博士だ。
 1964年に南海に入団した高橋は、もとは捕手で大捕手野村克也の控えに甘んじていたが、内野手に転向。
 
 日本ハムに移籍後の1974年9月29日、後楽園での南海とのダブルヘッダー第1戦で、1回に一塁、2回に捕手、3回に三塁、4回に遊撃、5回に二塁、6回に左翼、7回に中堅、8回に右翼とポジションを変え、9回には高校以来というマウンドに上がって投手の野崎恒男を中飛に仕留めた。打っては3番に座り4打数1安打。
 
 消化試合であり7000人と観客は少なかったが、高橋がマウンドを降りると拍手が起こった。
 ただしこれは「記録のための記録」。必然性があっての起用とは言えない。MLBでもバート・キャンパネリスなど4人が記録しているが、これも同様だ。
 
 キャリアで全ポジションを守った選手にはロッテ、オリックス、近鉄でプレーした五十嵐章人がいる。
 しかし五十嵐も投手としては2000年に1試合だけ(捕手も1995年の1試合のみ)。これも「記録のための記録」だった。

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