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ゲームバランスが崩れる? “一人で”チームを日本一に導いた伝説の5人。プロ野球史で永遠に語り継がれるシーズン

2022/04/17

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産経新聞社



大谷翔平(2016年の北海道日本ハムファイターズ)


 
 2016年は“二刀流”大谷翔平のシーズンだった。
 
 投げては21試合(140回)に登板し、10勝4敗、1ホールド、174奪三振、防御率1.86。打っては104試合に出場し、打率.322(323打数104安打)、22本塁打、67打点、7盗塁、OPS1.004(出塁率.416+長打率.588)。二刀流の弊害でともに規定未到達ながら、絶大なインパクトを残した。
 
 この16年を除く14年~19年は福岡ソフトバンクホークスが日本一。下馬評はソフトバンクが優勝の大本命で、シーズン前半はその通りに事が運んだ。
 
 首位ソフトバンクとは最大11.5ゲームの差をつけられた日本ハムだが、6月19日から球団新記録となる15連勝を記録するなど、怒濤の追い上げを見せて逆転優勝を果たした。優勝を決めた埼玉西武ライオンズ戦では大谷は9回完封勝利を挙げている。
 
 だがこの年も2位につけていたソフトバンク。クライマックスシリーズ(CS)のファーストステージを勝ち上がってくると、事実上の天王山を迎える。
 

 
 ここで大谷は、第1戦に登板し7回無失点の好投で勝利投手となると、第4戦では2打点を挙げる活躍。そして第5戦では当時の日本球界最速となる165キロをマークした「大谷の15球」で、ソフトバンク打線を絶望の淵へと追いやった。
 
 広島東洋カープとの日本シリーズでは、第3戦で延長10回にサヨナラ打を含む3安打の活躍。日本一をかけた第6戦ではネクストバッターズサークルから相手投手に圧をかけるなど、どこにいても相手チームの脅威となった。
 
 規定未到達でシーズンMVP、史上初のベストナイン投手部門と指名打者部門のダブル受賞など、前人未到の伝説を作った2016年の大谷。ソフトバンク一強だった球界のパワーバランスを“一人で”覆したのが大谷翔平だった。

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