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落合博満氏「秋は体が一番技術を覚えてくれる」――かつてはイチローや松井稼頭央もウインターリーグを経験【横尾弘一の野球のミカタ】

日本シリーズを戦っている2球団以外は、すでに来季に向けて始動している。いくつかの球団は武者修行として、若手選手を海外のウインター・リーグへ派遣している。落合GMは、この2カ月の練習がとても重要だと指摘する。(2015年10月26日配信分、再掲載)

2015/10/26

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この時期の練習が選手にとって重要

 福岡ソフトバンクと東京ヤクルトによる日本シリーズにファンが熱狂する中、他の10球団は各地で秋季練習やキャンプに励んでいる。
 
 春季キャンプが毎年2月1日に一斉スタートするのに対して、秋季キャンプは実施期間から内容、参加する選手に至るまですべてが球団ごと。ファンの注目度も高くはないが、中日の落合博満GMは、この期間の練習が選手にとって最も大切なものだと教えてくれた。
 
「体が技術を一番覚えてくれるのが秋。なぜなら、半年間のペナントレースを戦ったばかりで、体が野球の動きに対応できる。春に同じことをやろうとしても、体が起きないうちに取り組むと間違った形が身についたりしてしまうでしょう。それに、徹底的に体を苛めて軽度のケガや故障をしてしまっても、翌年のキャンプまでには治る。だから、コーチも遠慮せずに選手を鍛えられるんだ。そういう意味では、秋にどれくらいやるかで翌年の成長が決まると言ってもいい」
 
 中日で飛躍の期待される選手が、この時期にドミニカ共和国のウインター・リーグへ武者修行に出かけるのも、落合のこうした考え方がベースにある。
 
「私たちの現役時代は、シーズンオフになっても若手は呼び出され、常にコーチがいる前でバットスイングやノックをやらされていた。でも、その“やらされる”練習で野球がうまくなっていった部分もある。ポストシーズンを明確にしている現在でも、選手たちは思い思いに体は動かしている。中には自分でトレーニング・コーチと契約し、体力強化に励む選手もいる。でも、この時期に大切なのは、自分で考えたことをこなすのではなく、たとえ“やらされても”野球の技術を覚えることじゃないかな。技術的な課題はすべて年内にクリアしておき、1月の1カ月間を休養に充てる。そういうサイクルがいいと思う」
 

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