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【広島】首位打者に躍り出た“天才”坂倉将吾とは カープの「打てる捕手」がついに規定打席到達

2021/09/08

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 広島東洋カープの坂倉将吾捕手が7日、中日ドラゴンズ戦に「5番・一塁」で先発出場し、逆転サヨナラ3ランを含む4打数2安打の活躍。同日時点の規定打席「319」に到達し、セ・リーグの首位打者に躍り出た。これまでも広島の注目選手として幾度も取り上げられており、なにをいまさらと思うファンも多いだろうが、改めてニュースターにフォーカスを当ててみよう。
 

 
 西武・森友哉を筆頭に、再び「打てる捕手」の存在に注目が集まる昨今。セ・リーグでは、大城卓三(巨人)や、木下拓哉(中日)、今季好調を維持する中村悠平(ヤクルト)らが、打撃でも光る活躍をみせる。

 一方で、近藤健介(日本ハム)のように打撃を活かすためコンバートされたり、侍ジャパン正捕手・甲斐拓也(ソフトバンク)の存在もあり、主に外野手としての出場が続く栗原陵矢(同)など、「打てる捕手」へのハードルは高い。
 
 そんな中、「打てる捕手」としての大成を予感させるのが、高卒5年目の坂倉だ、
 
 坂倉は、身長176センチ、体重86キロ、1998年5月29日生まれの23歳。日大三高から、2016年ドラフト4位で広島に入団した。担当した尾形佳紀スカウトからは当時「三拍子がそろった強肩強打の捕手」と評価された。
 
 そんな坂倉は、1年目からいきなり頭角を現す。高卒ルーキーながらウエスタン・リーグで規定打席に到達し、リーグ2位となる打率.298をマーク。ファーム日本選手権では、捕手として岡本和真らを擁する巨人打線を2点に抑え、打撃でも決勝3ランを放つ活躍でMVPを獲得。広島二軍史上初の日本一へと導いた。
 
 以降はチームのトッププロスペクトとして注目され、年々一軍での出場機会も増やした。2年目の春季キャンプを訪問した小宮山悟氏は、この時すでにベースボールチャンネルのコラムでスイングスピードの速さと打球速度に着目し、「モノが違う」「3割30本塁打をマークする可能性を秘めている」「レギュラーとして起用すれば結果がでる」と太鼓判を押していた。
 
 そして昨年、81試合に出場し、打率.287をマークして一軍でも通用することを示し、今季の飛躍へとつなげた。
 
 今季はリーグトップの打率に加え、リーグ5位となるOPS.919(出塁率.412+長打率.507)を記録するなど、打撃はすでに球界屈指の成績。守備面でも捕手としてすでに昨年の55試合にせまる49試合に出場するなど、マスクを被る機会も増えている(数字は7日終了時点)。
 
 今年からは、昨年現役を引退した石原慶幸から背番号「31」を引き継ぎ、一層捕手としての自覚を強める坂倉。正捕手・會澤翼をはじめ、大卒2年目の石原貴規、ベテラン磯村嘉孝、甲子園のスター中村奨成ら層は厚いが、“打てる捕手”として大成すべく進化を続ける。
 
「モノが違う」。広島の未来を担う新星。ほれぼれする打撃…”打てる捕手”に育成せよ【小宮山悟の眼】