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【高校野球】花咲徳栄、昨年の埼玉県大会初戦敗退から甲子園出場へ 白岡の追い上げも及ばず

28日、県営大宮球場で行われた第97回全国高校野球選手権埼玉県大会決勝は、ノーシードで勝ち上がってきた白岡高校を花咲徳栄が5-2で下し、4年ぶり3回目の甲子園出場を決めた。

2015/07/28

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最終回、白岡の執念

 試合は5-1のまま9回表へ。連打で無死1・2塁のチャンスを作るも、5番の主将平塚がゲッツーに倒れて2死3塁。

 しかし、ここまでノーシードで強豪校を倒してきた白岡は簡単には終わらない。そこから6番谷中がタイムリーヒットを放ち1点を返すと、続く永島がレフト前ヒット、大木が四球で出塁し2死満塁。ここで花咲徳栄はピッチャーを2年生の高橋に交代。最後に訪れた白岡、最大のチャンスにスタンドからは1球1球に大歓声が起こる。打席の荒井がファウルで粘った2-2から高橋が外角いっぱいに投げ込み見逃し三振。
 マウンドに歓喜の輪が広がり、見逃した荒井はその場に泣き崩れた。

 優勝インタビューで花咲徳栄の岩井監督は、「本当に怖くて苦しい試合でした。選手たちは落ち着いていた。(9回の伝令は)最後に山があるからここを乗り切ろうと。(9回2死満塁の場面では)選手に任せるしかないので、高橋を信じていました。埼玉県の代表として、最後まで高校生らしく粘り強くプレーしたい」と試合を振り返るとともに甲子園の意気込みを語った。

 ベンチで声を出し続けた主将の米澤は、「最後まで苦しかったけど、この瞬間のためにやってきた。幸せです。昨年の悔しさをバネに一年間やってきて、努力は報われると信じていました。今まで支えてくれた方々に恩返しができるように甲子園でも頑張りたいです」と涙ぐみながら話した。

 花咲徳栄は昨年の開幕戦初戦で敗退し埼玉県で一番短い夏を経験した。先輩と流した悔し涙を胸に、埼玉県で一番長い夏にした。そして4年ぶりの甲子園へ、花咲徳栄の夏はまだまだ終わらない。

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