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聖光学院、つなぎ役・荒牧樹の2発に指揮官も驚き隠せず 故障と戦う守備職人は「文句言わず頑張る子」【全国高校野球】

2019/08/12

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<第7日 第2試合 2回戦 ○海星 3―2 聖光学院●>(12日、阪神甲子園球場)
 
 第101回全国高校野球選手権大会は12日に7日目を迎え、第2試合は海星(長崎)が聖光学院(福島)を1点差で破って3回戦進出を果たした。
 
 わずか93球の完投勝利を挙げた海星の柴田蓮人(3年)をぎりぎりまで苦しめたのは、意外な選手だった。「3番・二塁手」に入る荒牧樹(3年)は守備の名手で、打線では「つなぎで置いていた」(聖光学院・斎藤智也監督)という存在が大舞台で輝きを放った。
 
 荒牧は、腰や膝に故障を抱え、特に疲労骨折した腰には痛み止めの注射を打ちながら別メニュー調整を続けていたという。選手の特徴としては守備型の二塁手で、打撃はつなぎの役割が中心。しかしこの試合では第3打席に左本塁打、最終回には1点差に迫る中本塁打と大暴れしてみせた。
 
 荒牧の苦労を常に見守ってきた斎藤監督は試合後、「ホームランは見たことがない。どうやっても想像がつかない」と驚きをあらわにしながら、「一番大事な時には一切文句も言わずにやる子。誰かが見ていて、力を与えてくれたんじゃないか」と称えた。
 
 一発勝負の舞台では誰がヒーローになるかわからない。今日の甲子園の神様は伏兵に微笑んだ。苦難を乗り越えて掴んだ栄光の舞台での活躍は、多くの球児たちに希望を与えるはずだ。
 
取材・氏原英明、文・ベースボールチャンネル編集部