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夏の甲子園は右打者有利? 球場特有の“浜風”の影響とは【第101回全国高校野球】

第101回全国高校野球選手権大会が10日、1回戦の日程を終え、同日の第3試合から2回戦が始まった。1回戦は5日間で17試合が行われ計11本塁打が飛び出した。

2019/08/10

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甲子園名物“浜風”

 阪神甲子園球場には、ライトからレフト方向に向かって “浜風”と呼ばれる風が吹く。海陸の温度差により日中は海から陸へ吹く風で、気温の高い夏の晴天時により顕著に現れる。この浜風が打球の行方を大きく左右することになる。
 
 浜風によって主に恩恵を受けるのはレフト方向への打球だ。反対にライトへの打球は、好感触の当たりであっても、風に押し戻されて外野フライという場面がよく目立つ。殊に夏の甲子園という舞台は、左の長距離打者にとって不利な大会なのではないか。
 
 夏の甲子園の通算本塁打記録を持つ清原和博氏(9本、当時PL学園)をはじめ、2017年に一大会6本塁打をマークした中村奨成捕手(当時広陵、現広島東洋カープ)、清原氏と並んで一試合3本塁打の記録をもつ平田良介外野手(当時大阪桐蔭、現中日ドラゴンズ)らはいずれも右打者だ。
 
 今大会でも、令和初安打を満塁弾で飾った下山昂大(3年、八戸学院光星)、大会タイ記録となる1試合5本塁打をマークした履正社(大阪)の4選手、延長12回裏にサヨナラ本塁打を放った山口環生(熊本工)らは右打者。計11本が飛び出した1回戦で、本塁打を放った左打者は富山代表・高岡商の森田朝陽(3年)ただ一人で、この打球も逆方向への一発となっている。
 
 一発逆転の魅力をもつ本塁打だが、左打者にとって最大の敵はこの浜風となるかもしれない。

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